五味陸仁

五味陸仁：日本の報道アナウンサーとしての足跡

五味陸仁氏（ごみ みちひと）は、1943年2月14日東京都生まれの日本のアナウンサーです。学習院大学政経学部卒業後、1965年にTBSに入社。同期には今村稔氏、小川哲哉氏ら著名なアナウンサーが名を連ねます。

入社以来、ニュースや報道番組を中心に活躍。ラジオ、テレビ両部門で幅広い経験を積みました。勤務先はラジオ局放送部、テレビ編成局アナウンス部を経て、アナウンサー研修室、報道局ラジオニュース部、テレビニュース部と変遷。1989年には報道総局アナウンス部に所属し、1996年にはニュースセンターに在籍するなど、TBSの報道の中枢を担う部署を歴任しています。

彼のキャリアの中で特に記憶に残る出来事として、1989年1月7日の昭和天皇崩御のニュース速報があります。その際、落ち着いたトーンで「天皇陛下がお亡くなりになりました」と国民に伝えたことは、多くの視聴者に深い印象を与えました。

五味氏は報道番組への貢献に加え、1969年にはアポロ11号打ち上げの中継、1985年には日本航空機墜落事故の現場からのヘリ中継など、数々の重要な出来事の報道に携わりました。農林水産省記者クラブに所属した経験や、TBS報道局解説委員としての活動も、彼の豊富な経験と専門性を示しています。

TBSでの勤務期間は長く、2003年に定年退職。その後も放送倫理・番組向上機構調査役、日本災害情報学会理事、文化審議会の答申に関連した委員などを歴任し、放送業界や社会貢献に携わり続けました。

彼のアナウンサーとしてのキャリアは、単なるニュースの伝達にとどまらず、社会への情報伝達という重要な役割を担っていました。特に昭和天皇崩御の報道は、国民に重大な事実を正確かつ冷静に伝えるアナウンサーとしての責任感と高いスキルを証明しています。

主な出演番組

アレキサンダー大王 東征の道 (1966年、TBS)
ぺんてるヤングメイツ情報 (1969年、TBSラジオ)
20世紀の記録 (1969年、TBS)
JNNニュースデスク (1980年9月 - 1981年3月、1985年10月 - 1996年9月、TBS)
朝のワイドχ (1981年9月 - 1982年3月、TBS) → 朝のホットライン
JNNニュース (TBS) (平日昼・日曜深夜など)
JNNフラッシュニュース (TBS)
JNNおはようニュース&スポーツ (1984年3月最終週、奈良陽氏の代役、TBS)
JNNニュース1130 (1992年4月 - 1993年10月、TBS)
フレッシュ! (1995年7月 - 1996年5月、TBS) コメンテーター、8時台の「JNNニュース」を担当

名前について

五味陸仁氏の名前は、字の見た目から一時期「五味睦仁」と誤って紹介されることが度々ありました。

参考文献

「テレビアナウンサー ニュースキャスター 130人全調査 学歴/家族/不満/失敗」『週刊読売 = The Yomiuri weekly』第39巻第20号、読売新聞社、1980年5月10日
東京放送 編『TBS50年史』東京放送、2002年1月

五味陸仁氏の経歴は、日本の報道史における重要な一ページを刻んでいます。彼の貢献は、これからも長く記憶されることでしょう。

もう一度検索