朝のホットライン

『朝のホットライン』について

『朝のホットライン』は、1981年から1990年までの間、TBS系列で放送されていた報道と情報を扱った朝のワイド番組です。この番組は、前の『テレビ列島7時』の終了を受け、急遽立ち上げられたもので、初めは「朝のワイドX」と仮称されていました。しかし、番組内で名称を公募した結果、視聴者からの応募により『朝のホットライン』と名付けられ、1981年11月16日から正式に放送が開始されました。

番組はラジオスタイルを取り入れた形式で構成され、最新のニュースやスポーツ情報、トレンドなど、視聴者の興味を引く様々な話題が取り上げられました。特に、全国のJNN各局からの生中継も行われ、地域の情報をリアルタイムで伝える体制が整備されていました。また、視聴者からの情報提供を促進するため、番組専用の電話番号も設けられました。

初代の総合司会はTBSアナウンサーの五味陸仁が務めていましたが、1982年のリニューアルに伴い、多くの出演者が交代し、静岡の荻島正己が2代目の総合司会となりました。いっぽう、進行役には宇江佐りえが迎えられ、天気キャスターには前田武彦が起用されました。前田は長いブランクを経ての復帰であり、この出演が彼のメディア活動再開のきっかけとなりました。

荻島は当初、SBSに在籍したままTBSの嘱託として参加し、その後フリーアナウンサーとなる道を歩みました。次の総合キャスターには、草野仁が登場し、番組内容は8:30までの放送に拡大し、視聴者のニーズに応じたより広範な情報提供が行われました。

1986年以降、番組はリニューアルを重ね、新たなテーマソングも導入されるなどして内容を刷新しました。この時期、昼間の人気番組『ズームイン!!朝!』との競争が激化し、視聴率が低下しました。そのため、1988年には番組名を『HOTLINE』に変更し、さらなる再生を図りましたが、視聴率の回復には至らず、1990年3月30日をもって放送を終了しました。この8年半の歴史の中で、番組は共に成長する視聴者との交流の場として貢献してきました。

放送開始当初は報道スタジオのDスタジオを使用していましたが、その後Eスタジオ、Fスタジオと場所を移しながら放送を続けました。制作は第二制作局によるもので、最終回まで「製作著作 TBS」の表示はありませんでした。2023年時点でその遺産は、次代の『THE WAVE』として新しい形で引き継がれています。

番組のテーマ曲は、1986年には「風のエトランゼ」が使用され、1988年以降はCHAGE&ASKAの「ENERGY」などに変更されました。このように『朝のホットライン』は、日本の朝の情報番組における重要な位置を占めていたと言えるでしょう。

もう一度検索