五條新町

五條新町：時を超えて佇む、歴史と文化の薫り

五條新町は、奈良県五條市の吉野川北岸に位置し、伊勢街道沿いに発展した城下町です。その歴史は慶長13年（1608年）に遡り、松倉重政が二見城を築城したことに始まります。新町は、五條の町場と城を結ぶ道沿いに形成され、交通の要衝として、また商家町として繁栄しました。

江戸時代の面影を今に伝える町並み

東西約750メートルにわたる新町通りを中心に、江戸時代から昭和戦前期にかけて建てられた伝統的な建造物が数多く残っています。これらの建造物は、切妻造、平入り、瓦葺きの特徴を持ち、江戸時代の「つし2階建て」や、明治以降の2階建てで大壁造のものが多く見られます。また、吉野川の氾濫から町を守る石垣も、当時の姿を留めています。

特筆すべきは、栗山家住宅です。慶長12年（1607年）の棟札を有し、建立年代が判明している民家としては日本最古とされています。その他にも、宝永元年（1704年）築の中邸、元禄9年（1696年）の棟札がある栗山邸（栗山本家）など、貴重な文化財が点在しています。

保存地区としての取り組み

1975年に奈良国立文化財研究所によって実施された調査により、五條新町には質の高い伝統的建造物が多数残存していることが確認されました。その後、行政と地区住民が連携し、町並み保存活動に積極的に取り組んだ結果、2010年12月24日には「五條市五條新町伝統的建造物群保存地区」として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

五條新町の主な見どころ

栗山家住宅: 日本最古の民家として知られる、国の重要文化財。
中邸: 宝永元年に建てられた、奈良県指定文化財。
栗山邸（栗山本家）: 元禄時代の面影を残す、五條市指定文化財。
五新鉄道五新線跡: 河瀬直美監督の映画「萌の朱雀」や映画『花影』の撮影地としても知られています。
まちや館: 木村篤太郎の生家。
まちなみ伝承館: 五條新町の歴史や文化を学べる施設。
史跡公園長屋門: 歴史的な長屋門。
民俗資料館: 旧五條代官所長屋門を利用し、天誅組に関する資料などを展示。
古民家レストラン「五條源兵衛」: 古民家を改装したレストランで、地元の食材を使った料理を堪能できます。
一ツ橋餅店: 地元で愛される餅店。

五條新町へのアクセス

JR和歌山線 五条駅より徒歩約10分
JR和歌山線 大和二見駅より徒歩約5分

五條新町は、歴史的な町並みを散策しながら、日本の伝統文化に触れることができる貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

祭事・イベント

大和てまり街道祭り（3月）
「かわっ子まつり」吉野川手作り筏下りコンテスト（7月）
吉野川祭り（8月）
あかねLive（10月）
* やな漁（9月中旬～10月下旬）

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