五毛座

五毛座：地域文化を織りなす芝居小屋

五毛座（ごもうざ）は、日本の岐阜県恵那市に位置する歴史ある芝居小屋です。この施設は、2010年に国の登録有形文化財として認められ、その文化的価値が広く評価されています。元々は飯地公民館として1951年に建設されましたが、1983年に現在の五毛座に改名され、以降は地歌舞伎公演専用の施設として利用されています。五毛座という名称は、地元の自治会名「五明」に由来しています。

地芝居の文化

岐阜県は、美濃国や飛騨国を含む地域で地芝居が盛んに行われており、多くの芝居小屋が存在します。特に東濃地域の中津川市や恵那市では、地域の人々による地歌舞伎の活動が継続されており、五毛座もその一翼を担っています。毎年4月の第2日曜日には、太田神社の例祭に合わせて飯地歌舞伎保存会による公演が開催され、地元の伝統を次世代へと繋いでいます。この公演は隔年開催であり、地域の人々が一同に集い、歌舞伎の魅力を享受する機会となっています。

歴史の歩み

五毛座の歴史は深く、江戸時代後期には美濃国加茂郡の飯地村において、しばしば神社で狂言芝居が上演され、神社の拝殿が舞台として利用されることもありました。しかし、太平洋戦争によって一時的に狭まった活動も、終戦後には青年団など地元の団体によって再開されました。

• - 年表

1951年（昭和26年）：飯地公民館が完成。
1983年（昭和58年）：別の場所に新しい公民館が設立され、五毛座に改名。
2003年（平成15年）：老朽化による改修工事が実施。
2010年（平成22年）：国の登録有形文化財に登録。
2024年（令和6年）：大規模改修予定、天井や床の張り替え、楽屋の増築が計画されています。

建築構造

五毛座は、木造の2階建て地下1階構造であり、もともとは公民館としての機能も果たしていました。内部には花道が設けられ、観客席は平土間や1階・2階の桟敷席となっており、芝居を観るための快適な空間が提供されています。また、集会所としての和室や大広間もあり、地域の活動の場としても利用されています。

アクセス方法

五毛座に訪れるには、自動車が便利です。最寄りの中央自動車道、恵那ICからは岐阜県道68号、そして岐阜県道412号を経由してアクセスできます。

岐阜県の芝居小屋

岐阜県内には他にも多くの芝居小屋が残っており、地芝居の文化を支えています。

• - 鳳凰座（下呂市）
• - 白雲座（下呂市）
• - 黒川の東座（加茂郡白川町）
• - 蛭子座（中津川市）
• - かしも明治座（中津川市）
• - 常盤座（中津川市）
• - 五毛座（恵那市）
• - 熊野座（恵那市）
• - 美濃歌舞伎博物館 相生座（瑞浪市）
• - 村国座（各務原市）
• - 皆楽座（各務原市）

五毛座は、地元の人々による文化の発信源として、また地域の結束を促進する場所として、今後も重要な役割を果たし続けることでしょう。

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