五百羅漢寺

五百羅漢寺

五百羅漢寺は、東京都目黒区下目黒に位置する寺院です。かつては黄檗宗でしたが、現在は浄土宗系の単立寺院となっています。山号は天恩山、本尊は釈迦如来です。

歴史

松雲元慶による創建

五百羅漢寺は、松雲元慶（1648年 - 1710年）によって創建されました。松雲は、黄檗宗の僧である鉄眼道光に師事し、豊後国の羅漢寺に感銘を受け、自らも五百羅漢像を造ることを決意します。貞享4年（1687年）に江戸に下り、資金を集めながら536体の群像を造り上げました。元禄8年（1695年）に羅漢寺が創建され、松雲が開基、鉄眼が開山となりました。当初、羅漢寺は本所五ツ目にありました。

象先禅師による伽藍整備

3代住持の象先元歴（1667 - 1749）の時代に、羅漢寺は大きく発展しました。象先は、正徳3年（1713年）に住持となり、本殿、東西羅漢堂、三匝堂などを建立し、大伽藍を整備しました。三匝堂は、三層の建物で、百観音を祀っていたことから「百観音」とも呼ばれ、その独特な構造から「さざえ堂」とも呼ばれていました。葛飾北斎の『冨嶽三十六景』にも描かれています。

衰退と復興

安政2年（1855年）の安政の大地震で大きな被害を受け、明治時代以降は衰退しました。明治20年（1887年）には本所緑町へ、明治41年（1908年）には現在の目黒へ移転しました。昭和13年（1938年）には安藤妙照尼が入寺し、寺を維持しました。昭和56年（1981年）には境内が整備され、近代的な寺院として生まれ変わりました。

境内

境内には、寺務所、書院、聖宝殿、目黒霊廟などがある鉄筋コンクリート3階建てのビルが建っています。聖宝殿には寺宝や歴史資料が展示されており、屋上には梵鐘があります。本堂には本尊の釈迦三尊像や羅漢像が安置され、羅漢堂には残りの羅漢像や獏王の像が安置されています。

文化財

五百羅漢寺には、東京都指定有形文化財である木造釈迦三尊及び五百羅漢等像など、多くの文化財が所蔵されています。これらの像は、開基の松雲元慶が単独で彫り上げたもので、各像の表情やポーズが異なり、江戸時代の代表的な仏教彫刻として評価されています。

その他

梵鐘は、安永3年（1774年）の銘があり、弘福寺の開山である鉄牛道機の撰による銘文があります。国の重要美術品に認定されています。

交通アクセス

東急目黒線不動前駅から徒歩8分
JR山手線目黒駅から徒歩12分

もう一度検索