弘福寺

弘福寺（こうふくじ）

弘福寺は、東京都墨田区向島に位置する黄檗宗の寺院です。牛頭山（ごずさん）と号し、本尊として釈迦如来を安置しています。また、隅田川七福神の一つである布袋像を祀っていることでも知られています。

歴史

弘福寺は、江戸時代前期の1673年（延宝元年）に、黄檗宗の僧である鉄牛道機（てつぎゅうどうき）によって開山されました。稲葉正則（いなばまさのり）が寺を建てるために土地などを寄進した人となり、香積山弘福寺を現在地に移して建立されたのが始まりです。江戸時代には、鳥取藩池田氏の菩提寺としての役割を担っていました。

関東大震災によって甚大な被害を受けましたが、1933年（昭和8年）に再建され、現在に至ります。

咳の爺婆尊

境内には、「咳の爺婆尊（せきのじじばばそん）」と呼ばれる石造りの祠があります。中には、爺像（高さ約55cm、幅約45cm）と婆像（高さ約75cm、幅約60cm）が祀られており、風邪やインフルエンザの予防を祈願する参拝者が後を絶ちません。この像を制作した江戸時代の禅僧・風外（ふうがい）の名が「風（邪）の外」に通じることから、風邪除けのご利益があると信じられるようになりました。

文化財

弘福寺には、墨田区指定の有形文化財や史跡、無形民俗文化財があります。

区指定有形文化財

大雄宝殿：昭和8年（1933年）に再建された建物です。
梵鐘：貞享5年（1688年）に鋳造されたものです。

区指定史跡

池田冠山墓：鳥取藩池田家一族の墓所です。

区指定無形民俗文化財

隅田川七福神めぐり：弘福寺もその一つに数えられています。

墓所

境内には、鳥取藩池田家や津和野藩亀井家など、著名な一族の墓が多く存在します。

建部綾足（文人）
池田定常（若桜藩（鳥取藩の支藩）第5代藩主）
桃東園（儒学者）
林東溟（儒学者）
多田親愛（歌人、書家）
野々山緱山（画家）
三代目瀬川如皐（歌舞伎作者）
奥田義人（男爵、東京市長）
平木二六（詩人）
小沢昭一（俳優）

所在地

東京都墨田区向島5-3-2

アクセス

東武スカイツリーライン「東向島駅」から徒歩約10分

まとめ

弘福寺は、歴史と文化が豊かな寺院であり、特に風邪除けの「咳の爺婆尊」は、多くの人々に信仰されています。隅田川七福神めぐりの一つとして、また、歴史散策の目的地として、ぜひ一度訪れてみてください。

外部リンク

黄檗宗牛頭山　弘福寺　公式ホームページ
Kofuku-ji temple Official　Homepage
* 墨田区文化財 　

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