ロータリークラブ

ロータリークラブとは

ロータリークラブは、国際的な社会奉仕連合団体である「国際ロータリー」の傘下にある地域クラブの単位です。会員は「ロータリアン」と呼ばれ、職業倫理の向上、社会奉仕、国際親善を目的として活動しています。

クラブの理念と活動

ロータリークラブは、人道的奉仕、高度な道徳的水準の維持、そして世界平和への貢献を理念としています。会員は、それぞれの職業倫理を高めながら、地域社会への奉仕活動や国際交流を通じて、この理念を実践しています。

ロータリークラブの特徴として、各クラブが独自の事務局を持ち、自主独立して運営されている点が挙げられます。奉仕活動、寄付行為、会員同士の交流、友好事業などが活発に行われています。

「I serve: 私は奉仕する」という言葉が示すように、ロータリークラブは奉仕をするロータリアンの集まりであり、国際ロータリーはそのクラブの連合体とされています。個人の奉仕活動だけでなく、クラブ単位や国際ロータリーとしての奉仕プログラムも展開されています。

行動基準「四つのテスト」

ロータリアンは、以下の「四つのテスト」を基準に行動することが求められます。

真実かどうか (Is it the TRUTH?)
みんなに公平か (Is it FAIR to all concerned?)
好意と友情を深めるか (Will it build GOODWILL and BETTER FRIENDSHIPS?)
みんなのためになるかどうか (Will it be BENEFICIAL to all concerned?)

これらのテストは、ロータリアンの倫理観を形成し、より良い社会を築くための指針となっています。

標語

ロータリークラブの標語は以下の2つです。

「超我の奉仕」(Service Above Self)
「最も良く奉仕する者、最も多く報いられる。」(One profits most who serves best)

これらの標語は、ロータリアンの奉仕精神を象徴しています。

ロータリークラブの歴史

アメリカでの誕生

1905年、アメリカのシカゴで、弁護士のポール・ハリスが、友人たちと共に、親睦と互助を目的としてロータリークラブを創設しました。最初のクラブは、会員の事務所を輪番で会合場所として使用していたことから、「ロータリー」という名前が付けられました。創立当初は、各業種から1人ずつ会員を選出するルールがありましたが、後に変更されました。

日本での展開

日本初のロータリークラブは、1920年に東京で設立されました。これは、当時三井銀行の重役であった米山梅吉氏が、アメリカでロータリークラブの活動に感銘を受け、日本での設立を推進したことによります。その後、大阪、神戸、名古屋、京都、横浜といった主要都市にもロータリークラブが設立され、全国に広がっていきました。

1961年には、東京で国際ロータリークラブ大会が開催され、国内外から多くのロータリアンが参加しました。

2014年末の時点で、日本のロータリークラブは2,287クラブ、会員数は88,328人に達しています。日本は3つのゾーンに分かれ、34の地区で構成されています。そのうちの1つの地区には、ミクロネシア、グアム、北マリアナ諸島、パラオといった海外の地域も含まれています。

ロータリークラブの会員

ロータリークラブの会員は、様々な職業の専門家で構成されています。過去には、アメリカの歴代大統領も会員でしたが、政治家としての入会ではなく、就任前の職業で会員資格を得ていました。

ロータリークラブは政治的中立性を重視しており、公職にある人物（裁判官や大学教授などを除く）は、その職にある間は正会員の資格を持たないとされています。ただし、議員となる以前に会員であった場合は、資格が停止されるという扱いになります。

女性会員

ロータリークラブの設立当初は男性のみが会員となることができましたが、1989年の規定改正により、女性も会員として認められるようになりました。

2013年度のデータによると、アジア地域では、男性会員に比べて女性会員の割合はまだ低い状況です。