五箇山温泉

五箇山温泉（ごかやまおんせん）

富山県南砺市に位置する五箇山温泉は、世界遺産として知られる五箇山地方の山々に囲まれた静寂な環境に佇む温泉地です。

泉質と効能

五箇山温泉の泉質はアルカリ性単純温泉です。源泉温度は33.4℃、pH値は8.9を示しており、溶存物質の総量は707.3mg/kgです。源泉は地下100メートルから掘削自噴しており、その湧出量は毎分130リットルと豊富です。浴槽においては、源泉掛け流しと循環式を組み合わせた方法で湯が供給されています。

この温泉は、一般的に神経痛、リウマチ、腰痛、胃腸病、婦人病などに効果があるとされています。ただし、これらの効能は古くから伝えられているものであり、その効果が全ての方に等しく保証されるものではありません。

温泉施設

五箇山温泉郷には、主に二つの宿泊施設が存在し、それぞれが異なる特徴を持っています。

五箇山荘

富山県南砺市田向333-1に所在する五箇山荘は、五箇山国民休養地内に建てられた国民宿舎です。これは富山県内において、立山町の弥陀ヶ原にある立山荘、そして当時大山町（現在の富山市）にあった亀谷温泉の白樺ハイツに続いて三番目に整備された国民宿舎として歴史を持ちます。施設の建設は1978年10月に始まり、翌年の1979年6月13日に完成、同年6月16日には一般利用が開始されました。施設の名称は、広く公募を行い、集まった120点もの応募の中から選定されました。竣工当時の建物は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、延床面積は2,015平方メートル、最大91名の宿泊に対応できる規模でした。

赤尾館

もう一つの施設である赤尾館は、富山県南砺市西赤尾町396-1に位置しています。この施設の温泉棟には、地域特有の合掌造りの民家が活用されているのが大きな特徴です。具体的には、過去に国道156号の拡幅工事に伴い移転を余儀なくされた合掌造りの住宅を移築し、温泉施設として再利用したものです。これにより、利用者は歴史ある合掌造りの温かい雰囲気の中で温泉を楽しむことができます。

五箇山温泉は、周辺の豊かな自然景観や世界遺産の集落を訪れる際の拠点としても利用され、静かで穏やかな滞在を提供しています。二つの異なる趣を持つ施設で、趣深い湯浴みを体験できるのが魅力です。

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