国道156号

国道156号：岐阜から富山へ、進化を遂げた歴史ある国道

国道156号は、岐阜県岐阜市を起点に、郡上市、高山市、大野郡白川村などを経て、富山県高岡市に至る全長約215kmの一般[[国道]]です。東海地方と富山県を結ぶ重要な交通路として、古くから人々の生活を支えてきました。

険しい山道から快適なドライブコースへ

かつて、特に岐阜県と富山県にまたがる山間部は、庄川の渓谷沿いの狭い山道で、落石や雪崩の危険も高く、「酷道」として恐れられていました。「イチコロ」という異名を持つほど危険な区間もあったと言われています。

しかし、長年にわたるバイパス整備や道路改良によって、その状況は一変しました。現在では、トンネルや橋梁の建設が進み、清流やダム湖を望む快適なドライブコースへと生まれ変わっています。特に、御母衣湖から砺波市までの区間は、「飛越峡合掌ライン」と呼ばれ、観光ルートとしても人気を集めています。

東海北陸自動車道との関係

国道156号は、ほぼ全線にわたって東海北陸自動車道と並走していますが、荘川から白川郷の約30km区間では、中部縦貫道・松本方面への接続を考慮し、飛騨清見へと迂回しています。この区間は、山間部の地形を反映したルートとなっています。

歴史と変遷

昭和時代以前、東海地方と富山県を直接結ぶ国道はありませんでした。1930年代には、両地域の繋がりを強化するため、国道の指定を求める運動が行われていましたが、戦争により実現は先送りされました。

戦後の1953年、二級[[国道]]156号岐阜高岡線として指定され、悲願であった国道の開通を果たしました。その後、1965年の道路法改正により、一般[[国道]]156号となりました。

1970年には一般[[国道]]304号の開通、1975年には一般[[国道]]157号の経路変更など、周辺道路との関係性も変化してきました。

白川郷・五箇山の合掌造り集落

国道156号は、世界遺産に登録されている白川郷・五箇山の合掌造り集落を通り抜けます。この区間は、合掌造りの美しい景観と、庄川やダム湖の織りなす自然美が調和した絶景ドライブを楽しむことができます。

「飛越峡合掌ライン」として親しまれるこの区間には、合掌橋など、特徴的な橋が複数架かっています。それらの橋は「飛越七橋」と呼ばれ、欄干の色がそれぞれ異なるのも特徴です。

主要構造物

国道156号には、数多くのトンネルや橋が建設されています。これらは、険しい地形を克服するために不可欠なものであり、道路の整備とともに、安全性の向上にも貢献しています。特に、御母衣湖周辺では、近年もトンネル建設が続けられています。

バイパスと道路改良

これまで、多くのバイパスや道路改良事業が行われてきました。代表的なものとしては、岐阜東バイパス、大和改良、福島バイパス、砺波除雪拡幅、砺波高岡拡幅、戸出バイパスなどがあります。これらの事業により、安全で快適な道路環境の整備が着実に進められています。

地理的特徴

国道156号は、郡上市高鷲町ひるがの高原付近で中央分水嶺を横切ります。また、岐阜県と富山県の県境は庄川に沿って蛇行しているため、国道156号はトンネルと橋梁によって県境を何度もまたぎ、独特の景観を作り出しています。

まとめ

国道156号は、かつては「酷道」として知られていた険しい山道でしたが、長年の努力によって、安全で快適なドライブコースへと進化しました。美しい自然と歴史的な景観を同時に楽しめる魅力的なルートとして、多くの人々に親しまれています。これからも、さらなる整備が進み、地域の活性化に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索