五線譜のラブレター

映画『五線譜のラブレター DE-LOVELY』

『五線譜のラブレター DE-LOVELY』（原題：De-Lovely）は、2004年にアーウィン・ウィンクラー監督によって制作された、アメリカとイギリスの合作のミュージカル伝記映画です。この映画は、アメリカの著名な作曲家コール・ポーターの半生を、彼の妻であるリンダ・リー・トーマスとの深い愛の物語を通じて描いています。映画は、ポーターの出会いから彼の死までの様々な出来事を、音楽をに乗せて活き活きと再現しています。

ストーリーの概要

物語は、コール・ポーターが死の直前に自身の歩んできた人生を振り返る形で展開されます。彼は、若かりし頃、初めての演奏を行ったインディアナ州の劇場で、自身の過去がフラッシュバックする様子を描く。この思い出の中で、彼は将来の妻であるリンダとの出会った夜を回想します。1920年代のパリ社交界で「最も美しい」と讃えられたリンダは、コールと出会った瞬間から強く惹かれ合い、愛情深いカップルとしての関係を築いていくことになります。

リンダは、コールの音楽の才能や人柄、さらには彼の複雑なセクシュアリティさえも包み込むような優しさで、共に歩むことを決意します。リンダの過去の結婚生活は辛いものでしたが、彼女はコールとの関係において働くことに喜びを見出し、彼を恩恵を受ける存在として支えることを誓います。コールの婚外恋愛に対しても、理解し、受け入れる度量を持ちながら、二人は互いの成功を支え合ってきました。

二人の関係と挑戦

やがて、コールの浮気が公に知られるようになり、夫妻の関係には亀裂が生まれます。コールがナイトクラブでの写真を撮られ、脅迫される事態も発生し、やがてリンダは大きな決断を下します。彼女は、自己の健康を改善するために、アメリカに戻ってきたコールを許そうとしますが、彼の浮気は彼女にとって常に痛みであり続けます。

1954年にリンダが亡くなると、コールは心の底からの悲しみに包まれます。彼女の死後も、コールは音楽に対する情熱を失うことはなく、過去の作品に携わりながら、創作活動は続けていきますが、彼自身の健康問題も重なり、創作力は徐々に失われていくことになります。最終的に、1964年に永眠するまで、彼は音楽に人生を捧げ続けました。

キャストと制作

この映画には、ケヴィン・クラインがコール・ポーター役を、アシュレイ・ジャッドがリンダ・ポーター役を演じています。作品は、ポーターの音楽の魅力を最大限に引き出すために、多くのシーンがリアルタイムでのパフォーマンスとして撮影されました。

『五線譜のラブレター DE-LOVELY』は、カンヌ国際映画祭や東京国際映画祭で特別招待作品として上映され、ポーターの伝記映画としては1946年に公開された『夜も昼も』に次ぐ、重要な作品となっています。音楽と愛の物語が絡み合ったこの映画は、視聴者の心を打つことでしょう。

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