井田完二

井田完二（1897年3月23日 - 1988年）は、日本の内務官僚であり、最終的には井田特許事務所の所長を務めました。位階は従六位。

生い立ちと学歴

井田完二は、福井県遠敷郡雲浜村（現在の小浜市）で、井田謙治の次男として生まれました。兄に日本加除出版の取締役を務めた井田勝久（井田耕治）がいます。1922年に高等試験行政科に合格し、1923年には京都帝国大学法学部独法科を卒業しました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、井田は内務省に入省し、石川県警視を皮切りに、地方事務官として奈良県、埼玉県、愛媛県、広島県などで勤務しました。その後、本省地方局の地方債課長、財務課長、そして宮城県警察部長、広島県警察部長といった要職を歴任しました。1934年3月18日から1935年1月19日までは、広島市長の職務を管掌しました。

戦後の活動

1945年には住宅営団の理事に就任し、大阪支所長を兼務しました。1949年には大阪府立大学の学生部長となり、その後退職。京都市内に特許事務所を開設しました。

人物像

井田完二は禅宗を信仰していました。趣味は庭球、漕艇、絵画と多岐にわたりました。奈良市東城戸町に居を構え、先妻・璋子は、大日本麦酒の監査役を務めた内田恒太郎の三女です。井田には息子と娘がいました。著書として、自身の短歌を集めた『楽書日記』、『続 楽書日記』があります。

家族と邸宅

井田家は、2002年にその住宅が国の登録有形文化財に登録されています。妻の康子（1913年 - 2009年）は、奈良市選出の衆議院議員であった上村耕作の娘であり、佐保短大の教授を務めました。親戚には、兄の井田勝久がいます。

井田完二は、内務官僚として地方行政に貢献し、戦後は特許事務所を開設するなど、多岐にわたる分野で活躍した人物でした。趣味人としての側面も持ち合わせており、その人生は多彩であったと言えるでしょう。

もう一度検索