亘理大橋

亘理大橋の概要

亘理大橋（わたりおおはし）は、宮城県の岩沼市と亘理郡亘理町を結ぶ阿武隈川に架かる橋梁です。この橋は宮城県道10号塩釜亘理線に属し、全長は663.2メートルあります。亘理大橋は、阿武隈川の最下流部に位置しており、完成当初は日和大橋に次ぐ長さを誇り、現在でも県内では4位にランクインしています。

橋の構造

亘理大橋は「鋼3径間連続箱桁橋」形式で造られており、これは3つのセクションから成り立っています。橋全体の幅は11.5メートルで、車道が7メートル、歩道が3メートル取り入れられています。橋の床版は鉄筋コンクリートで構成されており、総鋼重量は約2734トンに達します。このような設計は、交通の流れをスムーズにし、多くの通行者に対応するために行われました。

歴史的背景

亘理大橋の建設が始まる以前、このエリアは荒浜の渡しとして利用されており、主に歩行者の交通手段として機能していました。しかし、仙台港の開発が進むにつれて、塩釜亘理線は重要な交通路としての役割を果たすようになり、自動車が通行できる橋の必要性が高まりました。このため、1972年度に国の橋梁整備事業に選定され、宮城県による実施が決定されました。

最初の工事は1973年に開始され、1981年6月20日に開通しました。この架設工事では、阿武隈川の河口特有の土地条件から、支保工を使用しない工法が採用されました。代わりに、送出し工法という手法が選ばれ、最初に左岸と中央部分を結びつけ、その後に右岸部分を架設する二段階のプロセスで進められました。

建設の工夫

架設時には、地盤が非常に悪く、河口砂州形成のために台船を使用することが困難だったため、橋の設計と建設における工夫が重要な役割を果たしました。送出し工法により、異なるセクションを順次連結して、全体が安定するように配慮されました。これにより、亘理大橋は高い耐久性と安全性を持つ橋梁として完成しました。

現在の利用状況

今日においても亘理大橋は、宮城県内の交通において重要な役割を果たしています。橋が開通したことで、岩沼市と亘理町の間の移動が格段に便利になり、地域の交通網の発展に寄与しています。また、周辺地域の経済や観光にも影響を与えています。

参考情報

亘理大橋の管理は、宮城県仙台土木事務所と仙台河川国道事務所が行っており、これらの機関が橋の維持管理や点検、修繕を担当しています。亘理大橋周辺の景観は美しく、阿武隈川を空から見ることができるスポットも点在しています。

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