交友クラブ

交友クラブについての詳細

交友クラブ（こうゆうクラブ）は、自由民主党の内部に存在していた派閥の一つです。この派閥は、1962年10月に川島正次郎の手によって設立されました。設立当初のメンバーは25人であり、川島は政治資金の調達がスムーズであり、派閥の規模については「20人」を適正とする考えを持っていました。このため、彼はその人数を維持し、派閥を拡大させることなく運営を行いました。

川島は政局において重要な場面で自派及び中間派を束ねることで、自民党の主流派として存在感を発揮しました。特に池田政権を支えつつ、佐藤政権時代には自民党の副総裁に就任するなど、その影響力は大いに広がりました。

しかし、1970年11月に川島が亡くなると、椎名悦三郎が派閥を継承しました。椎名は議員全員の一致した推薦を受けて、派閥の運営を続けました。新たに設立された椎名派は、衆議院議員19人、参議院議員4人からなる中間派として活動を開始し、赤城宗徳や浜野清吾を相談役に、松沢雄蔵を幹事長に任命しました。

1972年、椎名は自民党副総裁に就任し、1974年には田中角栄首相の後継総理として三木武夫を選ぶ役割を果たすこととなりました（この選定は「椎名裁定」と呼ばれています）。ただし、椎名の派閥運営は川島ほどの熱心さがなく、派の結束力は徐々に弱まりました。1979年9月に椎名が亡くなると、交友クラブは他の派閥に吸収され、最終的にはその存在を消失しました。

椎名の遺族によれば、派閥内で次のリーダーを志望する者が浮上していたため、彼に対する懸念から多くの議員が別の派閥によって移籍する動きが見られたとされています。この流れが、交友クラブの消滅に大きく寄与したとされています。

過去に交友クラブに所属していた国会議員には、川島正次郎、椎名悦三郎、荒舩清十郎、浜田幸一、宮沢胤勇などが名を連ねています。また、令和に入って川島の姪孫にあたる平山秀善が新たに「交友クラブ」という名の団体を結成し、会長に就任しました。

このように、交友クラブは日本の政治史における重要な遊戯であり、多くの政治家たちがその名を歴史に刻みました。派閥の成立から消滅までの間、その影響力や運営の方法は時代に応じて変遷していきましたが、政治の流れに大きな影響を与え続けたことは間違いありません。

参考文献

• - 足立利昭著『ザ・自民党―長期政権の秘密』翼書院、1984年。ISBN 9784924475113。

もう一度検索