交建設計

株式会社交建設計：日本の建築デザインを牽引する老舗設計事務所

1963年、国鉄の建築課長や東洋大学教授を務めた山崎兌氏によって設立された株式会社交建設計は、東京都中央区に本社を置く組織系建築設計事務所です。鉄道関連施設、特に駅舎設計を基盤として、商業施設を含む多様な建築物の調査、企画、設計、監理業務を展開しています。

創設と歴史

創業者の山崎兌氏は、国鉄の建築設計に携わった経験と、東洋大学教授としての知見を活かし、東海道新幹線駅の建設を機に株式会社交通建築設計事務所を設立しました。その出自は、駿河台学園創設者である山崎寿春氏を父、駿河台大学創設者である山崎春之氏を弟とする名家の一員であることも特筆すべき点です。1993年には社名を株式会社交建設計に変更し、現在に至ります。

幅広い事業内容と実績

交建設計は、鉄道関連施設、特に駅舎設計において卓越した実績を誇ります。北海道新幹線から九州新幹線、西九州新幹線まで、日本全国の新幹線駅舎の設計に携わってきたことは、同社の技術力と信頼性の証です。 JR各社をはじめ、私鉄、地下鉄など、多様な鉄道事業者との協業実績も豊富で、その数は日本全国に広がっています。

設計実績は新幹線駅舎にとどまりません。JR各線、私鉄、地下鉄の駅舎、駅ビル、さらには商業施設、教育施設、公共施設など、多岐にわたる建築物の設計・監理を行っています。 代表的な駅舎設計実績には、桜木町駅、八丁堀駅（JR東日本）、長崎駅（JR九州）、新宿駅（京王電鉄）、浅草駅（東京地下鉄）など、多くの主要駅が含まれます。

駅ビルにおいては、盛岡駅ビル（フェザン）、秋田駅ビル（トピコ）、山形駅ビル（ホテルメトロポリタン山形）、熊谷駅ビル（アズ熊谷）、そして首都圏の主要駅周辺のアトレ、ルミネなどの商業施設の設計にも携わっています。 これらの実績は、同社の設計力が、単なる建築デザインにとどまらず、都市開発や地域活性化に貢献していることを示しています。

さらに、交建設計は、2k540 AKI-OKA ARTISANのような個性的な商業施設や、駿台予備学校、駿河台大学といった教育施設の設計も手掛けており、その設計領域の広さと多様性を示しています。

全国に広がる拠点を基盤とした事業展開

本社を東京都中央区に置く交建設計は、大阪、名古屋、九州に事務所を、札幌に営業所を構え、全国規模での事業展開を行っています。このネットワークによって、地域特性を踏まえたきめ細やかな設計と、迅速な対応が可能となっています。

まとめ

株式会社交建設計は、長年にわたる経験と実績に基づいた高い設計力、全国規模のネットワーク、そして多様な建築物の設計実績によって、日本の建築デザイン界において重要な役割を果たしています。 新幹線駅舎という象徴的な建築物から、地域に密着した商業施設、教育施設まで、その活動は日本の社会基盤を支え、未来を創造することに貢献しています。 今後も、同社の活躍から目が離せません。

参考文献

駅に関わり続けて 交建設計 建築ジャーナル別冊 （2005年3月）
駅再生－スペースデザインの可能性 鹿島出版会 編 （2002年11月）
鉄道デザインEX volume04〜駅舎建築のデザインと機能〜 20120330
建築ジャーナル 20120301
日経アーキテクチュア 20120210
商店建築 Vol.56 No.6 201206
近代建築 200303
駅のはなし―明治から平成まで―（交通ブックス104）：交建設計・駅研グループ・著、交通研究協会・発行

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