交響曲第4番 (ホヴァネス)

アラン・ホヴァネス 交響曲第4番 Op. 165 について

アラン・ホヴァネスの「交響曲第4番」は、吹奏楽のために作曲された作品で、管楽器と打楽器を主体とした編成が特徴です。1958年に完成し、翌年アメリカン・ウィンド・シンフォニー・オーケストラによって初演されました。この作品は、ウィリアム・スナイダー3世に献呈されています。

概要

この交響曲は、従来の吹奏楽作品に見られるような、オーケストラにおけるヴァイオリンの役割をクラリネットに置き換えるといった手法は用いられていません。金管楽器の比重が大きく、独特の響きを生み出しています。また、サクソフォンやユーフォニアムといった楽器は含まれておらず、初演団体の編成に合わせた特殊な構成となっています。

楽器編成

この作品の楽器編成は以下の通りです。

フルート: 3 (または6)
オーボエ: 2 (または6)
イングリッシュホルン: 1 (または2)
クラリネット: 2 (または6)
コントラファゴット
トランペット: 2 (または6)
ホルン: 1 (または2)
トロンボーン: 4 (または6)
チューバ
打楽器: 4名 (ティンパニ、シンバル、タムタム、鉄琴、大太鼓、マリンバ、木琴、チャイム、ゴング、ヴィブラフォン)
ハープ

この編成からもわかるように、弦楽器は一切使用されていません。管楽器と打楽器が中心となることで、独特の音響空間が創り出されています。

楽曲構成

全3楽章から構成されており、演奏時間は約20分です。

第1楽章 Andante - Allegro

作曲者自身が「賛歌とフーガ」と呼ぶこの楽章は、トロンボーンの合奏で幕を開け、ハープの反復音を伴ったバスクラリネットのモノローグが続きます。東洋的な雰囲気を醸し出す打楽器の響きが特徴的です。その後、トロンボーンがコラール風の旋律を奏で、コントラファゴットの独奏へと繋がります。ホルンがコラールを奏でた後、トロンボーンによるフーガで力強く締めくくられます。

第2楽章 Senza misura - Allegretto

[19＋20]/8拍子で記されたマリンバの独奏で始まるこの楽章は、三部形式で構成されています。中間部の「舞曲」では、ハープの反復音を背景に、オーボエとクラリネットが軽やかな旋律を奏で、ファゴットがヴィブラフォンを伴い別の旋律を提示します。最後はシロフォンの独奏で静かに幕を閉じます。

第3楽章 Andante espressivo - Allegro maestoso

再び「賛歌とフーガ」とされるこの楽章は、4つの主題から構成されています。第1主題はホルンとチューバで提示され、第2主題はトロンボーンによるコラールで奏でられます。第3主題は躍動感あふれるもので、2本のトロンボーンの旋律を他の2本のトロンボーンが彩ります。クライマックスの後、鐘の音を模した打楽器の響きが、アレグロ・マエストーソのフーガへと導き、壮大に曲を締めくくります。

参考文献

最新名曲解説全集3 交響曲III（音楽之友社）

外部リンク

Symphony No. 4 Op. 165 - sheetmusicplus
Symphony IV (Hovhaness) - The Wind Repertory Project)
* Alan Hovhaness: a conductor's analysis featuring Symphony No. 4 and Symphony No. 17 - Colorado State University, Fort Collins

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