交響詩篇エウレカセブンポケットが虹でいっぱい

『交響詩篇エウレカセブンポケットが虹でいっぱい』は、2009年に公開された劇場アニメ作品です。テレビアニメ『交響詩篇エウレカセブン』を基にしていますが、世界観や設定を大きく変更した「別宇宙」での物語が展開されます。制作はボンズ、アニメーション制作はキネマシトラスが担当。

概要

本作は、テレビシリーズの要素を再構成しつつ、全く新しいストーリーを構築しています。テレビシリーズの登場人物やキャラクターはそのまま登場しますが、彼らの関係性や設定は大きく異なり、善悪の属性が逆転していたり、血縁関係がなくなっていたりするなどの変更が加えられています。一種のスターシステム的な用法と言えるでしょう。

物語の舞台は、テレビシリーズ最終話で描かれたスカブ・コーラルの半分が人類との共生を目指して旅立った「別宇宙」。謎の生命体イマージュと人類との間で戦争が続く世界で、新たなレントンとエウレカの物語が繰り広げられます。

ストーリー

突如出現したイマージュと人類の戦争が続く世界。少年レントンと少女エウレカは、ワルサワの基地で暮らしていました。しかし、ある日突然エウレカが人民解放軍に拉致され、レントンはエウレカを救えなかった無力感に打ちのめされます。その後、レントンはチャールズとレイの息子として、壮絶ないじめに遭いながら成長。空軍パイロットとして、ニルヴァーシュと共に戦う日々を送ります。

人民解放軍第303独立愚連隊に配属されたレントンは、サウスダコタの軍基地で、生き別れとなっていたエウレカと再会。しかし、エウレカはレントンとの再会を喜びながらも、共にいることを拒絶します。レントンは、エウレカが軍の最重要機密であることを知らされ、人類の存亡をかけた戦いに巻き込まれていくことになります。

人類は絶望的な状況に追い詰められ、「メガロード計画」と並行して「神の鉄槌計画」が実行されようとしていました。コーダ・ラベルは、デューイ少将暗殺事件の調査を進める中で、「ドーハの悲劇」の真相や「ネバーランドの子供たち」の存在を知ります。そして、イマージュが人類に「世界再製」のスイッチを押させようとしていることを知り、事態は緊迫していきます。

テレビシリーズとの違い

本作は、テレビシリーズとは異なる点が多数存在します。

登場人物の設定：テレビシリーズで協力関係にあった人物が敵対関係にあったり、善悪属性が逆転していたり、血縁関係が異なっていたりする。
サブカルチャー要素：テレビシリーズの特徴であったサブカルチャー色は控えめになっている。
音楽：特徴であった電子音楽は流れていない。
物語のテーマ：テレビシリーズとは異なり、より普遍的な愛や絆、成長といったテーマが描かれている。

サブタイトル

サブタイトルは、YMOの楽曲「ポケットが虹でいっぱい」から引用されています。

登場人物

本作の登場人物は、テレビシリーズとは「別宇宙」での存在であるため、外見や名前が同じでも別人として扱われます。そのため、性格や血縁関係なども異なっています。

レントン・サーストン：人民解放軍二曹。第303独立愚連隊の新兵。幼少期の過酷な経験から大人びた性格。
エウレカ・ズィータ：レントンの幼馴染。人民解放軍からは「被験体7号」と呼ばれる。その正体はイマージュが送り込んだスパイロボット。
ホランド・ノヴァク：人民解放軍、第303独立愚連隊隊長。神話再生計画に命を賭ける冷酷非情な性格。実年齢は17歳。
タルホ・ユーキ：第303独立愚連隊強襲戦闘母艦「月光号」の艦長。ホランドのパートナー。

KLF

KLF（クラフト・ライト・ファイター）は、本作の世界における人型機動マシンの総称です。テレビシリーズの世界での呼称は「LFO」ですが、本作では「KLF」で統一されています。

ニルヴァーシュ type ZERO：レントン搭乗機。左右に座席が並んだ複座機。
ターミナス type B303 デビルフィッシュ：ホランド搭乗機。3つの短い角がついた悪魔のような顔つきが特徴。

スタッフ

原作：BONES
脚本：京田知己
キャラクターデザイン：吉田健一
音楽：佐藤直紀
アニメーション制作：キネマシトラス
制作：ボンズ
* 総監督：京田知己

映像ソフト

Blu-ray Disc、DVD、UMDにて映像ソフトが発売されています。

まとめ

『交響詩篇エウレカセブンポケットが虹でいっぱい』は、テレビアニメ版とは異なる世界観で、新たなレントンとエウレカの物語を描いた作品です。テレビシリーズのファンはもちろん、初めてエウレカセブンに触れる人にも楽しめる作品となっています。

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