京成3100形電車 (2代)

京成3100形電車

京成3100形電車は、2019年（令和元年）に登場した京成電鉄の直流通勤形電車です。2003年に登場した3000形以来、16年ぶりとなる「京成グループ標準車両」として設計・製造されました。

概要

2019年4月11日に導入が発表され、新京成電鉄80000形電車との共同設計車ですが、機器類に一部差異が見られます。「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」を設計コンセプトに、質実剛健な設計思想を重視しつつ、成田空港線（成田スカイアクセス線）への投入を前提として、訪日外国人対応やバリアフリー化を強化し、空港利用客の利便性に配慮した設計がなされました。

2019年10月10日に宗吾車両基地で報道陣向けに公開され、10月26日のダイヤ改正から営業運転を開始しました。最初の導入分は3000形7次車（3050番台）に倣い、3150番台とされました。基本設計は日本車輌製造が担当し、日本車輌製造と総合車両製作所がそれぞれ編成単位で製造を担当しています。

車両概説

外観

3000形と同じく、日車式ブロック工法による軽量ステンレス製18m級3扉車8両編成です。先頭車は絞りや折りを入れ、スピード感を表現しています。成田スカイアクセス線に投入されることから、京成本線との誤乗防止を兼ねて、京成の車両では久しぶりにオレンジを基調としたデザインを採用しています。車体前面と側面には3050形と同様の飛行機のイラストが、車体ドア横には成田山新勝寺、浅草雷門とスカイツリー、千葉県側からの富士山遠景のイラストが施されています。前面・側面の表示装置はフルカラーLEDを採用し、4か国語表示や駅ナンバリング表示に対応しています。3151Fのみ、車体裾に飾り帯があります。新京成80000形との違いは乗務員室の手すりで、80000形は3本に対し、3100形は4本です。

車内設備

車内はオールロングシートですが、各扉間の8人掛けロングシートが袖仕切り付きの3+2+3に分割されており、中間の2人掛けの部分は折り畳んで荷物置き場にできます。また、シートの背もたれは3000形より170mm高いハイバック仕様です。中間車の車端部には優先席とフリースペースが設けられています。

防犯カメラは1両に3台設置されています。17インチワイド液晶ディスプレイ（LCD）による車内案内表示器が各乗降扉上に2画面ずつ搭載されており、片方が運行情報表示用、もう片方が広告用です。

その他、プラズマクラスターイオン発生装置が導入され、空調制御ソフトの見直しなども行われています。開放感を持たせるために座席端部の袖仕切りにはガラスが採用されています。空調装置は三菱電機製の集中式で、各車1台搭載されています。

乗務員室

造りは基本的に3000形に近いですが、マスコンハンドルのブレーキノッチ段が5段から7段に変更され、ノッチ表示器がLEDから14段表示に変更されています。車掌スイッチは「間接制御方式」が採用され、ドア鍵が不要となりました。また、本系列では定速制御を採用したため、逆転ハンドル左側に定速スイッチが設置されています。

主要機器

主制御装置には、ハイブリッドSiC素子適用のVVVFインバータ制御装置が採用され、小型軽量化が図られています。主電動機は、定格出力140kWの全閉式かご形三相誘導電動機を採用しています。主電動機の大容量高出力化と、電気抵抗値の小さい銅コイルを用いたフィルタリアクトルの採用、回生電力を最大限に活用することで、3000形に比べて消費電力15%削減ができます。また、乗務員の要望を受け25 km/h 以上で作動する定速運転機能を取り入れています。

6M2T編成を組みますが、先頭車両が制御電動車となっており、京浜急行電鉄の規定を満たしています。パンタグラフは編成中に5基設置されます。ユニット構成は「先頭車はコンプレッサー搭載電動制御車、先頭から2両目は主制御装置搭載電動車、先頭から3両目は補助電源搭載付随車」という構成です。台車は日本製鉄製のモノリンク式ボルスタ付空気ばね台車を使用しています。補助電源装置は東芝インフラシステムズ製の静止形インバータを搭載しています。空気圧縮機は三菱電機製のオイルフリースクロール式CPを各先頭車に搭載しています。

編成表

(編成表に関する情報は省略)

運用

2019年7月24日に3152編成が、9月22日に3151編成がそれぞれ出場し、試運転を経て10月26日のダイヤ改正から運用を開始しました。基本的にアクセス特急・エアポート快特に優先的に充当され、都営地下鉄浅草線を介して京浜急行電鉄にも直通し羽田空港へ至る運用が中心ですが、西馬込駅や京急久里浜駅までの運用に充当される場合もあります。2021年12月には、京成トラベルサービス主催の臨時団体列車にてちはら台駅に入線しています。

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