京浜急行バス能見台営業所

京浜急行バス能見台営業所は、神奈川県横浜市金沢区能見台2丁目に位置するバス運行の拠点です。最寄りのバス停は「能見台車庫前」または「能見台センター」となります。主に京急富岡駅、能見台駅、そして金沢文庫駅西口を発着する多様な路線を担当しており、地域住民の日常生活や通勤・通学を支えています。営業所の管理記号には「N」が用いられています。また、能見台6丁目には給油施設と待機スペースを備えた敷地も有しています。

沿革

能見台営業所の歴史は、1987年 5月28日に京浜急行電鉄バス事業部門の追浜営業所の車庫として始まったのが端緒です。その後、1990年 9月16日には追浜営業所から分離され、横浜営業所の傘下にある能見台車庫となりました。1996年 4月1日にはバス共通カードの導入に合わせて、運賃収受方法が前乗り前払い方式から中乗り整理券方式へと変更されています。2003年 10月1日の分社化に伴い、車庫から独立した営業所に昇格し、京浜急行バスの能見台営業所となりました。これは、当時の横浜営業所が横浜京急バスに事業移管されたことによるものです。

2005年3月以降、担当路線の一部が横浜京急バスへ順次移管され、同年9月16日には全ての路線が横浜京急バスへの完全移管が完了しました。しかし、2006年 11月1日には横浜市営バスから107系統（金沢文庫駅・磯子台団地 - 洋光台駅前）が移管され、京急グループによる運行が開始されました。さらに、2006年 11月3日には金沢文庫駅西口と金沢動物園を結ぶ急行バス（文21系統）の運行が始まっています。2007年 3月18日にはICカード乗車券PASMOが導入され、利便性が向上しました。そして、2018年 4月1日、横浜京急バスが親会社である京浜急行バスに吸収合併されたことにより、再び京浜急行バス本体の営業所となり、営業所記号も横浜京急バス時代のYからNに変更されました。

主な担当路線

能見台営業所が担当する路線は、金沢区を中心とした地域輸送を担っており、多岐にわたります。

沢木谷線・野村住宅線

金沢文庫駅西口を起点とし、赤井・宮ヶ谷を経て野村住宅方面へ向かう系統（文1, 文2, 文3）と、関東学院大学金沢文庫キャンパスを結ぶ系統（文7）が運行されています。野村住宅方面の路線は、住宅地が高台にあることや、横浜市立金沢自然公園（動物園）へのアクセスとしても利用されるため、日中も比較的多くの本数が設定されています。文1系統と文7系統の間では、金沢文庫駅西口と赤坂または野村住宅センター・関東学院大学金沢文庫キャンパスの相互間を利用する場合に、定期券での相互乗降が認められる特例があります（ただし、途中停留所での乗降は不可）。文21系統は、金沢文庫駅西口から金沢動物園へ急行運転を行い、土日祝日には専用のラッピング小型バスが使用されることがあります。

能見台線・能見台5丁目線

金沢文庫駅西口および能見台駅を発着し、能見台や氷取沢方面を結ぶ生活・通勤・通学路線です。金沢文庫駅西口からは釜利谷高校などを経由してシティ能見台西や能見台車庫前（文8）、横浜氷取沢高校（文9）へ向かいます。能見台駅からは能見台センターを経由して横浜氷取沢高校（能1）、釜利谷高校（能2）へ向かう系統や、氷取沢・磯子台団地方面を循環する系統（能3）、片吹団地方面を循環する小型バス路線（能5, 能51, 能52）があります。能見台センター付近には、営業所前のバス停とバス通り沿いのバス停があり、系統によって使用する乗り場が分かれています。特に能5系統は急坂や狭い道を経由するため小型車両が使用されています。

白山道循環線

金沢文庫駅西口を起終点とし、白山道、六浦、金沢八景駅、町屋などを経由して循環する路線（文5, 文6）です。運行本数は1日に数本と少なく、平日早朝・夜間と土日祝日は運行がありません。かつて横浜市営バスの路線だったものを1959年に京浜急行が引き継いだ歴史を持ちます。狭隘区間があるため、現在は小型バスで運行されています。

高舟台循環線・八景台住宅線

金沢文庫駅西口と白山道、高舟台地区を結ぶ系統（文10, 文20）および八景台住宅へ向かう系統（文11）です。特に文10系統は高舟台地区からの需要が高く、朝の通勤・通学時間帯には本数が増加します。文20系統は経路変更により系統番号が変更されたものです。これらの路線の一部にも狭隘区間が存在するため、小型バスの日野ポンチョが運用に入ります。

富岡線・洋光台線

京急富岡駅を発着し、富岡・能見台方面の住宅地と駅を結ぶ生活路線（富1, 富2, 富3）と、金沢文庫駅西口と洋光台駅前を結ぶ路線（洋1, 洋2）があります。富3系統は金沢文庫駅西口と京急富岡駅を笹下釜利谷道路経由で結び、沿線の高校などへの通学にも利用されます。洋光台駅前へ向かう路線は、2006年 11月1日に横浜市営バスから移譲された旧107系統を改番したもので、移譲当初は前乗り中降り方式でしたが、2022年4月1日より他の一般路線と同様の中乗り前降り方式に変更されました。

富岡ニュータウン線・富岡西循環線

京急富岡駅を起点とし、富岡ニュータウン方面へ向かう路線です。富5系統は朝夕のみの運行ですが、2009年からは日中に富岡西地区を循環する富6系統が運行されています。

坂本・夏山循環線

2016年12月16日に新設された比較的新しい路線（文22）で、金沢文庫駅を起点に坂本・夏山地区を循環します。こちらも小型バスが使用され、金沢文庫駅と夏山下（夏山東）の間は赤坂停留所のみに停車する速達性を持っています。

車両

能見台営業所には、一般路線に使用される大型車および小型車が配置されています。また、特定の契約に基づく輸送（関東学院大学金沢文庫キャンパスへの貸切輸送、幼稚園や病院の送迎など）に使用される貸切登録車や特定登録車も多数在籍しています。高速路線を担当する車両は配置されていません。

一般路線用の大型車としては、いすゞ自動車製が多く導入されているほか、UDトラックス製や三菱ふそう製の車両も運用されています。狭い道を経由する白山道・高舟台方面や片吹団地循環、六浦駅循環（現在は追浜営業所へ移管）といった路線には、小回りの利く小型バスである日野ポンチョのロング仕様が充当されています。

貸切・特定の用途で登録されている車両は、関東学院大学輸送用のいすゞエルガ、京急幼稚園や病院送迎用の日野リエッセII、金沢動物園送迎用の三菱ふそうローザ（リフト付き車両含む）、横浜なみきリハビリテーション病院送迎用のトヨタハイエースなど、様々な車種が用途に応じて使い分けられています。特定登録車両の一部には、一般路線車と同じ塗装ながら運賃箱がなく、営業所記号の表記が異なるなどの特徴があり、一般路線での使用はされません。

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