洋光台駅

神奈川県横浜市磯子区洋光台三丁目に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）根岸線の駅です。駅番号は「JK 04」が付与されています。かつては終着駅として賑わいましたが、路線の延伸と共に中間駅へとその役割を変え、現在では東京や横浜方面へ通勤・通学する人々が暮らす住宅地の玄関口として機能しています。

歴史

洋光台駅が開業したのは1970年 3月17日のこと。この時は根岸線が磯子駅から延伸した際の暫定的な終着駅でした。開業に先立つ1966年には根岸線の磯子駅〜大船駅間の延伸工事が許可され、同年12月には駅周辺の大規模開発を担う日本住宅公団による洋光台団地の起工式が行われるなど、駅の誕生と共に地域の変貌が進められていました。

開業当初、駅周辺は「矢部野」と呼ばれる静かな農村地帯でしたが、駅の開設に合わせて大規模な宅地造成が急速に進められました。駅開業からわずか3ヶ月後の1970年6月1日には、洋光台団地の入居が開始され、新たな住民の生活が始まりました。この開発によって、かつての農村風景は一変し、近代的な住宅都市へと姿を変えていきました。

開業から3年後の1973年 4月9日、根岸線は洋光台駅から大船駅まで延伸し、全線が開通しました。これにより洋光台駅は終着駅としての役割を終え、中間駅となりました。開業当初は島式ホーム1面2線のうち片側（1番線側）のみが完成した単線状態で運用されていましたが、全線開通時には現在の1面2線の形が整えられ、終着駅時代の名残は現在ほとんど見られません。

駅の開業後、周辺の地名も旧称の「矢部野」から「洋光台」へと改称されました。現在では「矢部野」の名は、根岸線の港南台駅寄りにある「矢部野トンネル」や、根岸線の上を跨ぐ洋光台通りの陸橋である「矢部野橋」などにその名残をとどめるのみとなっています。「洋光台」という新しい地名は、東京湾から昇る朝日がこの地を明るく照らす様子に由来すると言われています。

国鉄の分割民営化に伴い、1987年 4月1日にはJR東日本の駅となりました。その後も設備の近代化が進められ、1994年2月9日には自動改札機が、2001年 11月18日にはICカード「Suica」がそれぞれ導入されました。さらに、2025年度にはホームの安全性向上を目的としたスマートホームドアの使用開始が予定されています。

駅構造

洋光台駅は、島式ホーム1面2線を持つ地上駅です。ホーム部分は線路が周囲の地面より低くなっている切り通し構造の底面に設置されており、駅舎はホームの上空に架けられた橋上駅舎となっています。この橋上駅舎は、駅周辺の地面と同じ高さに設けられているため、改札を出るとそのまま周囲の道路や施設にスムーズにアクセスできる構造です。

駅の運営はJR東日本ステーションサービスへの業務委託駅となっており、大船駅が当駅を管理しています。駅舎内には自動改札機のほか、多機能券売機や指定席券売機が設置されており、乗車券や特急券などの購入が可能です。JRの特定の制度により、「横浜市内」の駅として扱われています。また、近年導入が進められている「お客さまサポートコールシステム」が採用されており、早朝時間帯など特定の時間帯には係員が不在となり、遠隔での対応が行われます。

利用状況

2023年度の統計によると、洋光台駅の1日平均乗車人員は18,049人でした。これは、1991年度以降のデータの中でも比較的高水準であり、横浜市南部の主要なベッドタウンとしての洋光台地域の活気を示しています。開業以来、周辺地域の発展と共に利用者は増減を繰り返してきましたが、現在も多くの通勤・通学客に利用されています。

駅周辺とアクセス

駅周辺は、開業と同時に開発された団地や一戸建て住宅が広がる大規模な住宅地となっています。地域の住民は、根岸線を利用して横浜駅や東京方面へと通勤・通学しており、洋光台駅は地域と都市を結ぶ重要な結節点となっています。駅前にはバスターミナルが整備されており、「洋光台駅」停留所から周辺地域への路線バスが多数発着しています。

根岸線においては、洋光台駅の一つ横浜寄りは新杉田駅（JK 05）、大船寄りは港南台駅（JK 03）となっています。根岸線を走る快速列車、各駅停車ともに停車します。

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