京街道 (大坂街道)

京街道の概要

京街道（京海道、きょうかいどう）は、大阪と京都を結ぶ主要な街道を指す言葉です。広義には、各地から京都に至る道を含む言い方ですが、ここでは特に大坂街道とも呼ばれる大坂と京都を結ぶ道について詳しく説明します。

歴史的背景

京街道の起源は奈良時代に遡ります。その後、1594年（文禄3年）に豊臣秀吉が伏見城の築城に着手し、1596年（文禄5年）には毛利一族に命じて淀川の左岸に「文禄堤」を設け、街道の整備が始まりました。これにより、現在の京街道の基盤が築かれました。

京街道は大坂の高麗橋（当時は京橋）から出発し、淀川左岸を通って淀まで続きます。淀大橋を渡ると旧河道の木津川に至り、さらに淀小橋を渡った後、桂川の左岸を進みます。鳥羽街道と宇治川右岸に分岐し、伏見へと続く淀堤を経てもとの道に戻る形になります。最終的に伏見から京都へは、伏見街道と竹田街道の2つのルートがあります。

道中の宿場

京街道の大坂から伏見への間には、道中奉行が管理する宿場が設けられていました。この区間は東海道の延長に位置し、江戸からの旅行者たちは「伏見宿」、「淀宿」、「枚方宿」、「守口宿」の4つの宿場に立ち寄ります。また、淀宿と枚方宿の間には遊郭を持つ宿も存在しました。

特に、宿場ごとの整備は道中奉行によって行われ、東海道に並ぶ宿としての基準が求められました。そのため、枚方宿などは宿運営が困難であり、上りが偏重した流れは宿の経営に影響を与えました。

大津街道との関係

京街道は、東海道五十三次の一部として認識されることもあります。伏見以南は大津街道を経由し、京都には大津宿を通さずに向かう道が選ばれました。このルートは参勤交代の際の有力な経路としても用いられ、西国大名の上洛を防ぐ策としても機能しました。

独自の水運

古代においては、淀川を利用した水運も発展していました。特に鳥羽から渡辺津（大坂）にかけては淀川水系の水運が盛んでした。江戸時代になっても、淀堤や伏見街道を経ても、舟運が重要な交通手段となっていました。立ち寄った宿場は舟運によっても大きな影響を受けていました。

近代の移り変わり

明治時代に入ると、鳥羽街道が新たに大阪街道として位置づけられ、京都と大阪を結ぶ国道もこのルートを選ぶことになりました。一方、淀堤や伏見街道を利用するルートには、鉄道である京阪本線が敷設され、交通の便が向上しました。

まとめ

京街道は大阪と京都を結ぶ歴史深い道で、その整備の歴史や道中の宿場、交通の変遷を通じて多くの人々に利用されてきました。現在でもその路程は、ウォーキングや観光ルートとしても魅力があります。

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