京都へおこしやす!

京都へおこしやす!

『京都へおこしやす!』は、2008年1月7日から同年2月29日まで、TBS系列で毎週月曜日から金曜日の午後に放送されていた「ドラマ30」枠の帯ドラマシリーズです。全40話が制作され、毎日放送（MBSテレビ）が担当しました。この作品は、「ドラマ30」枠において、1月改編期に合わせて年明けからスタートしたMBS制作のドラマとして初めてのケースでした。

ドラマ概要

物語の舞台は、古都・京都の情緒あふれる花街です。このドラマは、人情コメディーの色合いを濃く持ちながら、老舗茶屋のおかみさんを中心に据え、そこに集う舞妓や芸妓たちの様々な人間模様を描き出します。普段は「いちげんさんお断り」という独特のしきたりがある花街の、知られざる世界を垣間見ることができるのも魅力の一つです。特に注目されたのは、連続ドラマシリーズ「いのちの現場から」で長らく看護師長役として白衣姿が印象的だった中村玉緒さんが、本作で初めて着物姿となり、出身地である京都の言葉（京都弁）を駆使した演技に挑戦した点です。また、同じく関西出身の大路恵美さんも、自然な京都弁で物語に深みを与えています。

主な登場人物

物語の中心となるのは、京都の花街にある老舗茶屋「水嶋」とその関係者たちです。

花村雪乃（中村玉緒）：かつては花街一と称された芸妓で、「水嶋」の現在のおかみさん。
花村彩乃（大路恵美）：雪乃と黒木信介の間に生まれた娘で、人気のある芸妓。蔵田透と交際中。
水嶋玲子（中島ひろ子）：先代「水嶋」おかみの娘。芸妓にはならず、自宅の一部で「水嶋医院」を開業している医師。
田村みちる（ふく乃）（松山愛里）：東京から家出してきたギャル風の少女。彩乃に憧れて芸妓を目指し、「水嶋」で仕込み見習いとなります。彼女の視点から物語が語られることも多いです。
菊乃（榎園実穂）：「水嶋」の舞妓。東北出身のため、時折素朴な方言が出ます。
いち乃（渡辺瞳）：かつて「水嶋」の見習いでしたが、舞妓デビュー直後に失踪します。
鶴千代（松村康世）：雪乃の姉さん分だった元芸妓で、梅原かすみの母。かつては亡くなったと思われていましたが、実は借金逃れのために生存を偽装していました。
黒木信介（田村亮）：雪乃の芸妓時代の恋人。30年ぶりにニューヨークから帰国し、雪乃だけでなく鶴千代や蔵田一恵とも関わりがあり、物語の鍵を握る人物です。

他にも、彩乃の恋人である蔵田透（鳥羽潤）やその母・一恵（宮田圭子）、京都振興財団の関係者（寺澤、梅原かすみ）、仕出屋「いしだ」の人々、茶屋の常連客など、個性豊かなキャラクターが登場し、ドラマを彩ります。

物語を彩る要素

ドラマの放送期間中、特に最初の二週間は、京都の名産品が視聴者プレゼントとして提供されました。これは、はがきでの応募限定という形式でした。また、「水嶋」を訪れる客として、吉本興業所属のタレントが多数ゲスト出演し、物語にコメディータッチの要素を加えています。

主題歌

本作の主題歌には、歌手の山川豊さんが歌う「ニューヨーク物語り」が採用されました。この楽曲は、音楽プロデューサーであるつんく♂さんが作詞・作曲を手掛けています。山川豊さんは、この作品を含めて、当時MBS制作の「ドラマ30」の主題歌を4回担当しており、これは同枠での最多記録（2008年時点）でした。ドラマ本編には、山川豊さん自身が本人役として登場し、「水嶋」のお座敷で主題歌を披露する場面も盛り込まれています。

制作スタッフ

脚本は石原武龍、末安正子、倉沢奈都子が担当し、音楽は栗山和樹が手掛けました。プロデューサー陣には川上裕、古賀敏仁、岡田広祥が名を連ね、演出は皆元洋之助と中村和宏が担当しました。制作協力は東通企画、製作著作は毎日放送です。

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