京都大学大学院農学研究科附属農場

京都大学大学院農学研究科附属農場

京都大学大学院農学研究科附属農場は、農業研究および実習を行う重要な施設で、国立大学法人京都大学の一部として位置づけられています。2016年に大阪府高槻市から京都府木津川市へと移転し、新たな拠点を設けました。ここでは、農業に関わるさまざまな研究や教育が行われており、その影響は地域社会にも広がっています。

概要

この農場は、京都府木津川市城山台に位置しており、約24.6ヘクタールの広大な敷地があります。圃場面積はおよそ11ヘクタールであり、その中には実際の農業生産が行われている場所があります。具体的には、水田、果樹園、蔬菜園、花卉園などがあり、それぞれの分野で様々な作物が栽培されています。例えば、水田ではイネをはじめとする農作物が育てられており、果樹園ではブドウやナシも栽培されています。また、環境制御を行う温室においては、バラの周年栽培も行われています。

この農場では、毎年11月3日の文化の日に一般市民を対象とした公開講座が開催され、農場ツアーや農業体験実習、さらには農産物の即売会など、多彩なイベントが行われています。これにより、地域の人々が農業に触れる機会が増え、教育的な役割も担っています。

農場の生産物は、本館の1階販売室で一般に販売されており、訪れる人々は新鮮な農産物を購入することができます。また、小中学校を対象にした職業体験学習や農場見学会も行われ、農業の重要性を子供たちに伝える活動も充実しています。

歴史

京都大学農学部は1923年に発足し、翌年には附属農場が設置されました。1928年には摂津農場が設置され、その後は古曽部温室などが設立されました。特に古曽部温室は、熱帯植物の園芸研究を目的に1929年に設立され、1961年には古曽部温室と改称されました。その後も農場の組織や名称は変遷を遂げ、1998年に現在の形へと至りました。

2009年には農場移転の合意がなされ、2011年には一部の敷地が国史跡に指定されるなど、歴史的な価値も評価されています。その後、2014年から新しい農場整備が開始され、2016年には木津川市に現在の農場が開設されました。

コレクション

農場には多様な作物が栽培されており、特に水田は約4.2ヘクタールが割り当てられています。同様に果樹園や花卉園、さらに遺伝子組換え隔離圃場なども存在します。農場内では、深井戸からの地下水を利用した灌漑システムが整備され、効率的な水資源の管理が行われています。また、ビオトープや集水池を活用して、環境に配慮した農業を実現しています。

このように、京都大学大学院農学研究科附属農場は教育や研究、地域社会との関わりを通じて、農業の発展に貢献しています。

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