京都市電無軌条線

京都市電無軌条線（トロバス）の歴史と概要

京都市の交通手段の一つである無軌条電車、通称トロバスは、四条通を走っている路線です。この路線は昭和初期に建設され、京都市電の一環として多くの市民や観光客に利用されてきました。トロバスの運行範囲は四条大宮から西大路四条までの1.553 kmにわたり、その全区間が電化されています。架線電圧は600Vの直流二線式を採用し、運行にあたっては壬生車庫を利用しています。

設立の背景

トロバスの設立背景には、都市計画に基づく路線延長計画がありました。昭和初期、京都市では「都市計画軌道延長第二期事業」として、四条線の延長を考えていましたが、新京阪鉄道の地下線計画に影響され、四条通大宮から西大路の道路造成が遅れました。その結果、既存の電車システムの代わりとして無軌条電車が導入されることとなりました。これにより、よりスムーズな交通の確保が期待されるようになったのです。

路線の運行と歴史

1923年5月26日に京都市会で「第七十七号議案」が議決され、それを受けて無軌条線の計画が立ち上がりました。1931年には無軌条電車の営業免許が申請され、後に許可が下りました。同年、英国から無軌条電車が2両導入され、翌1932年の4月1日に四条大宮から西大路四条間が開業しました。開業当初から多くの市民に利用されていたことが窺えます。

この路線では、1940年には急行運転が開始され、利用者の利便性が格段に向上しました。さらに、1943年からは急行運転が強化され、より多くの人々がこの便利な交通手段を利用できるようになりました。1958年に至っては、梅津線に統合され、無軌条電車は梅津車庫に移管されました。

停留所と交通網の接続

トロバスの路線は、開業当初からいくつかの停留所を有しています。例えば、四条大宮や四条坊城、四条千本、また西大路四条などが主要な停留所として利用されました。また、これらの停留所では他の交通機関とも接続しており、国鉄山陰本線や京福電気鉄道嵐山本線との交差点も存在します。このように、トロバスは市民生活や観光において非常に重要な役割を果たしていました。

参考資料と今後の展望

トロバスについての詳細な情報は、京都市営電気事業沿革誌や京都市政史などの資料に記載されています。これらの資料は、トロバスの歴史や運行についての深い理解を得る手助けとなります。

トロバスは過去の交通手段の一つではありますが、今でもその全盛期の名残は市民や観光客に親しまれています。今後も京都市の公共交通の歴史を支える存在として、トロバスの重要性が再認識されることを期待しています。

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