人気投票連続ナンバー・ワン 郷ひろみ

『人気投票連続ナンバー・ワン 郷ひろみ』：70年代アイドルシーンを彩る名盤

1977年6月21日、CBS・ソニーより発売された『人気投票連続ナンバー・ワン 郷ひろみ』は、歌手・郷ひろみの5枚目のベストアルバムです。前作『ヒーロー』からわずか1週間後という短いインターバルでのリリース、そしてベストアルバムとしては『郷ひろみヒット全曲集』から約7ヶ月ぶりの作品となりました。このアルバムは、2枚組という豪華仕様で、前年度の同名アルバム以降に発表された楽曲を中心に構成されています。まさに、郷ひろみの集大成と言える内容と言えるでしょう。

選曲の妙：シングルヒットからアルバム隠れた名曲まで

Disc1とDisc2の全34曲は、郷ひろみの代表曲の数々を網羅しています。特に、シングル曲の選曲は、彼のキャリアにおける重要な楽曲を的確に反映しており、当時の彼の圧倒的な人気を改めて実感させます。シングル表題曲としては、「悲しきメモリー」、「逢えるかもしれない」、「あなたがいたから僕がいた」、「真夜中のヒーロー」、「誘われてフラメンコ」、「わるい誘惑」、「裸のビーナス」、「20才の微熱」、「寒い夜明け」、「小さな体験」、「花とみつばち」、「魅力のマーチ」、「モナリザの秘密」、「花のように鳥のように」、「恋の弱味」、「バイ・バイ・ベイビー」など、どれも当時チャートを席巻した名曲揃いです。

しかし、このアルバムの魅力はシングル曲だけにとどまりません。アルバム収録曲や、映画のサウンドトラックからセレクトされた楽曲も収録されている点が大きな特徴です。映画『おとうと』、『さらば夏の光よ』の主題歌や挿入歌なども収録され、郷ひろみの幅広い音楽性を垣間見ることができます。「桜の五線譜」、「浜薔薇」、「雨にひとり」、「あの地平線」、「限りなき愛の日々に」、「小さな友情」、「惜春歌」、「ある日をさかいに」、「君のおやじ」、「愛すべき僕たち」、「アメリカより愛をこめて」、「街かどの神話」、「まぶしい奇跡」といったアルバム収録曲は、シングルとはまた違った魅力で聴く者を魅了します。特に「愛すべき僕たち」はビリーバンバンの同名曲をカバーしたものであり、郷ひろみ自身の解釈による新たな魅力が加えられています。

郷ひろみ全盛期の記録：時代を彩ったアイドル像

『人気投票連続ナンバー・ワン 郷ひろみ』は、単なるベストアルバムという枠を超えた、1970年代後半の郷ひろみの集大成と言える作品です。このアルバムは、彼の歌声、そしてその表現力、そして楽曲のクオリティの高さを改めて証明するものでした。収録されている楽曲は、時代を超えて愛される名曲ばかりで、聴けば聞くほど、郷ひろみの魅力に引き込まれていくことでしょう。当時を知る世代にとっては、青春時代の記憶が鮮やかに蘇る、ノスタルジックな作品であり、若い世代にとっても、70年代アイドルシーンを体感できる貴重な一枚となるでしょう。

このアルバムは、単にヒット曲を並べただけの作品ではなく、郷ひろみというアーティストの多面的な魅力を凝縮した、まさに「ベスト・オブ・ベスト」と言える一枚です。当時、彼の圧倒的な人気を支えた要素が全て詰まった、まさに決定版と言えるでしょう。

このアルバムを聴けば、なぜ彼が「人気投票連続ナンバーワン」と呼ばれたのか、その理由が自然と理解できるはずです。70年代を代表するアイドル、郷ひろみの輝きを、改めて感じさせてくれる作品なのです。

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