人生スイッチ

人生スイッチ (Relatos salvajes / Wild Tales)

『人生スイッチ』（原題: Relatos salvajes、英語題: Wild Tales）は、2014年に公開されたアルゼンチン・スペイン合作のブラックコメディ映画です。ダミアン・ジフロンが脚本・監督を務め、リカルド・ダリン、オスカル・マルティネスなど、豪華キャストが出演しています。アルモドバル兄弟がプロデューサーを務め、音楽はグスターボ・サンタオラヤが担当しました。

第87回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされるなど、国際的にも高い評価を受けました。

概要

本作は、暴力と復讐という共通テーマで繋がれた6つの独立した短編からなるアンソロジー映画です。日常に潜む狂気や、抑圧された感情が爆発する瞬間を、ブラックユーモアを交えて描き出します。

あらすじ

おかえし

飛行機に乗り合わせた人々が、共通の人物であるガブリエル・パステルナークによって仕組まれた復讐劇に巻き込まれる物語。ガブリエルは、過去に彼を苦しめた人々を飛行機に集め、自らも客室乗務員として乗り込みます。そして、飛行機はガブリエルの両親が住む家へと向かっていきます。

おもてなし

ウェイトレスの女性が、かつて自分の家族を破滅させた高利貸しの男が店に現れたことに気づき、復讐を企てる物語。料理人と協力して毒殺を計画しますが、男の息子が現れたことで葛藤が生じます。しかし、最終的には高利貸しは殺害され、料理人が逮捕されます。

パンク

高級車に乗る男が、田舎道を走るオンボロ車を煽ったことから、壮絶な報復合戦に発展する物語。些細な挑発がエスカレートし、最終的には両者とも破滅的な結末を迎えます。

ヒーローになるために

爆破解体業者の男が、些細な出来事がきっかけで社会への不満を爆発させ、報復テロを実行する物語。レッカー移動されたことに腹を立てた男は、レッカー会社を爆破し、テロリストとして逮捕されます。しかし、その行為はSNSで称賛され、英雄視されるようになります。

愚息

有力者の息子が起こした轢き逃げ事件を隠蔽するため、父親が身代わりを立てようとする物語。金で解決しようとする父親、罪悪感に苛まれる息子、そして事件に巻き込まれる人々の思惑が複雑に絡み合います。

Happy Wedding

結婚式の最中に新郎の浮気が発覚し、新婦が激怒して復讐を誓う物語。怒涛の展開の末、夫婦は狂乱の中で愛を確かめ合います。

キャスト

音楽評論家・サルガド - ダリオ・グランディネッティ
イサベル - マリーア・マルル
レギサモン先生 - モニカ・ビリャ
ウェイトレス - フリエタ・ジルベルベルグ
クエンカ - セサル・ボルドン
料理人 - リタ・コルテセ
新車男・ディエゴ - レオナルド・スバラーリャ
マリオ - ワルテル・ドナード
ビル爆破解体職人・シモン - リカルド・ダリン
ビクトリア・マラムド - ナンシー・ドゥプラア
シモンの同僚・ペコラ - ルイス・マッゼオ
父親・マウリシオ - オスカル・マルティネス
弁護士 - オスマル・ヌニェス
管理人・ホセ - ヘルマン・デ・シルバ
検察官 - ディエゴ・ベラスケス
エレナ・ペレイラ・アミルトン - マリーア・オネット
花嫁・ロミーナ - エリカ・リバス
アリエル - ディエゴ・ヘンティレ

評価

本作は、カンヌ国際映画祭で10分間のスタンディングオベーションを受けるなど、世界中で高い評価を得ました。Rotten Tomatoesでは96%の高評価を獲得し、「意地悪く浮かれ騒ぎ、愉快に錯乱するこの作品は反体制的な風刺劇である」と評されています。Metacriticでも77点を獲得し、「おおむね好評を得ている」とされています。

備考

2015年に起きたジャーマンウイングス9525便墜落事故を受け、本作冒頭の飛行機墜落シーンが事故を連想させるとして、一部で視聴可能作品一覧から削除されました。

外部リンク

公式ウェブサイト （スペイン語）
日本語版公式ウェブサイト
Wild Tales - IMDb
人生スイッチ - allcinema

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