人見街道

人見街道について

人見街道は、東京都府中市八幡宮から杉並区大宮の大宮八幡宮へと続く、古くからの街道です。この道は、複数の別名を持ち、地域によって「大宮街道」「下総街道」「府中道」「八幡通り」とも呼ばれてきました。かつての府道24号・府中中野線の一部でもあります。

名称の由来

「人見街道」という名前は、江戸時代以前に存在した「人見村」を通っていたことに由来します。現在でも、この地域には「小人見」という地名が残っています。さらに、街道の北に位置する浅間山は、別名を人見山とも呼ばれており、この山の名が街道名になったという説もあります。浅間山の別名である人見山は、小高い丘から敵の情勢を監視するという意味合いを持つとされています。

また、浅間山を構成する前山尾根の東端には、「人見四郎の墓跡」という黒い石碑があり、地域の一族である「人見氏」との関連も示唆されています。

「下総街道」という別名は、この道がかつて下総国へ向かう道として利用されていたことに由来すると考えられています。

概要

人見街道は、鎌倉街道の一つとしても利用されていました。本来の起点である杉並区浜田山三丁目以東は、現在は杉並区道となっており、「八幡通り」として知られています。府中市若松町四丁目交差点以西は府中市道となっており、その先は航空自衛隊府中基地の敷地内となるため通行できませんが、本来は旧甲州街道につながり、八幡宿へと続いていました。

かつては、武蔵国三宮氷川神社の神輿が、この人見街道を通り、人見村の御仮屋まで来て、くらやみ祭りに参加していたという記録も残っています。

街道沿いの建築物と史跡

人見街道沿いには、数多くの歴史的な建築物や史跡が点在しています。以下はその一部です。

庚申塔（塔の側面には「みぎいのかしらみち」「ひだりふちうみち」と刻まれています。）
尾張徳川家鷹場標石
龍源寺、近藤勇の胸像と墓
近藤勇の生家跡
近藤道場跡
人見の説明標識
旧甲州街道・人見道入口
久我山道
府中道
小人見塚
人見ヶ原の合戦（武蔵野合戦を参照）
人見上屋敷、下屋敷
人見新田
人見稲荷神社
人見館（若松町5）
弘道学舎
人見城（武蔵七党の人見猪俣氏の城）

東京都通称道路名「人見街道」

東京都は、道路に通称名を定める際、起点と終点を設定しました。東京都通称道路名設定公告（整理番号98）によると、人見街道の起点は杉並区浜田山三丁目の浜田山駅入口交差点、終点は府中市若松町四丁目とされています。これは、東京都道14号新宿国立線の杉並区浜田山から三鷹市牟礼までの区間と、東京都道110号府中三鷹線の終点から府中市若松町四丁目までを指します。しかし、都道248号線と交差する府中市道周辺までは、北側に平行して東京都道110号線が短く走っており、この平行する都道は市道美術館通りとして西へ抜けています。

これらの道路は、古来の人見街道とは異なり、久我山道が加わったり、終点が若松町四丁目交差点であるなど、区間やルートが異なっています。

接続する道路

人見街道は、以下の道路と接続しています。

東京都道413号赤坂杉並線（東京都杉並区）/浜田山駅入口
東京都道311号環状八号線（東京都杉並区）/環八久我山（交差点標記なし）
東京都道110号府中三鷹線（東京都三鷹市）

関連情報

人見街道に関連する情報として、以下の地域や場所が挙げられます。

朝日町 (東京都府中市)
若松町 (東京都府中市)
緑町 (東京都府中市)
浅間山 (東京都)

外部リンク

* 参考：良太郎の「自転車で街道をゆく」-人見街道 - ウェイバックマシン（2009年4月9日アーカイブ分）

人見街道は、歴史と文化が息づく道として、今も多くの人々に利用されています。

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