旧甲州街道

旧甲州街道について

旧甲州街道は、現在の国道20号（甲州街道）の旧道区間に与えられた通称です。この名称は、東京都、神奈川県、山梨県、長野県といった複数の都県にまたがって存在します。

東京都内の旧甲州街道

東京都内には、複数の旧甲州街道が存在しますが、特に調布市と府中市にまたがる区間と、世田谷区内の区間が知られています。

調布市・府中市内の旧甲州街道

1984年5月1日の東京都通称道路名設定公告によれば、この区間の旧甲州街道は、調布市国領町二丁目を起点とし、府中市本宿町二丁目を終点としています。具体的には、以下の都道が該当します。

東京都道119号北浦上石原線
東京都道229号府中調布線

この区間の旧甲州街道は、もともと国道20号の一部でした。しかし、1954年から1961年にかけて、バイパスが順次建設されたことで、旧道は「旧甲州街道」と呼ばれるようになりました。バイパスは新たな国道20号となり、旧道は東京都道として管理されることになりました。

具体的には、1954年に調布市北浦（現在の国領町）から上石原間、1956年に府中市本宿町から東府中間にバイパスが開通し、1961年には東府中と下石原を結ぶ区間が開通しました。これにより、旧道と新道が明確に区別されるようになりました。なお、この区間には、バイパス建設時にできた短い支線状の路線も存在しますが、これは通称としての旧甲州街道には含まれていません。

1962年4月25日の東京都通称道路名設定公告によれば、バイパスとして整備された新しい甲州街道は、単に「甲州街道」と称されるようになっています。

世田谷区内の旧甲州街道

世田谷区内には、杉並区上高井戸一丁目（環状八号線高井戸陸橋付近）から調布市仙川二丁目（仙川駅手前）にかけて、甲州街道と京王線の間を通る道があります。この道も一般に旧甲州街道と呼ばれています。ほぼ全線が世田谷区内に位置しています。

その他の旧甲州街道

東京都、神奈川県、山梨県には、以下のような旧甲州街道も存在します。

東京都道・神奈川県道516号浅川相模湖線：小仏関所・小仏峠を越えるルート。
神奈川県道・山梨県道520号吉野上野原停車場線
山梨県道212号日影笹子線：笹子峠を越えるルート。
山梨県道308号鶯宿上曽根線
山梨県道30号大月上野原線
国道411号（城東通り）
国道52号（美術館通り）
山梨県道6号甲府韮崎線

関連道路

旧甲州街道に関連する道路として、以下のものがあります。

国道20号：現在の甲州街道。
東京都道229号府中調布線
東京都道119号北浦上石原線
品川通り#品川道: 旧道の別名

付記

旧甲州街道は、歴史的な背景を持つ重要な道路であり、地域ごとに異なる特徴が見られます。古くからの街道の面影を残す道も多く、散策や歴史探訪を楽しむことができます。

参考資料

以下に示す地図記号は、旧甲州街道の位置を理解する上で役立ちます。

赤=旧甲州街道
F=府中市
C=調布市
H=府中市本宿
HF=東府中
KI=調布市上石原
SI=調布市下石原
K=調布市北浦
①=旧来の甲州街道
②=1954年開通のバイパス
③=1956年開通のバイパス
④=1961年開通のバイパス
[20]=現在の国道20号
(119)=現在の東京都道119号北浦上石原線
(229)=現在の東京都道229号府中調布線
(9)=東京都道9号川崎府中線（府中街道、川崎街道ともいう）
(11)=東京都道11号大田調布線（狛江通り、旧甲州街道の一部）
(12)=東京都道12号調布田無線（武蔵境通り）
(15)=東京都道15号府中清瀬線（小金井街道）
(17)=東京都道17号所沢府中線（府中街道）
(19)=東京都道19号町田調布線（鶴川街道）
(110)=東京都道110号府中三鷹線（人見街道、新小金井街道の一部）
(120)=東京都道120号下石原小島線
(121)=東京都道121号武蔵野調布線（三鷹通り）
(123)=東京都道123号境調布線
(133)=東京都道133号小川府中線（国分寺街道）
* (248)=東京都道248号府中小平線（新小金井街道）

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