人間人形の逆襲

概要

『人間人形の逆襲』は、1958年に公開された特撮SFホラー映画で、またの名を『生きていた人形』と呼ばれています。本作は、監督バート・I・ゴードンの代表作であり、彼は『戦慄!プルトニウム人間』や『世界終末の序曲』などで知られています。この映画は、1950年代に流行した人間や生物の巨大化というテーマから一転し、逆に人間が縮小されるという独自の恐怖を描いています。この特徴は、同時期に製作されたジャック・アーノルド監督の『縮みゆく人間』と比較されることがあります。

劇中には、主人公カップルがドライブインシアターで映画を鑑賞するシーンがあります。このシーンで流れる映画は、バート・I・ゴードンが前年に監督した『戦慄!プルトニウム人間』で、作品の関連性を高めています。また、主人公が縮小された後の世界を描写するために、セットには通常のサイズを越えた巨大な電話機などが使用されています。

日本では劇場での公開はなされませんでしたが、後にテレビ放送が行われ、アメリカではDVDが発売されています。本作は、ゴードン監督の娘であるスーザン・ゴードンが女優デビューを果たした作品でもあります。

あらすじ

物語は、あるビルにある人形工房から始まります。この工房では、人形の制作から収集、修理までを手がけるフランツ氏（演じるのはジョン・ホイト）が経営しています。サリー（ジューン・ケニー）は、新たに秘書を募集していることを知り、工房を訪れます。サリーは経験が浅く、自分が向いていないと感じながらも、フランツ氏の懇願により、秘書として採用されます。

初めは戸惑いを感じていたサリーでしたが、次第に業務に慣れていく一方で、フランツ氏の人形への異常な接し方に疑問を抱くようになります。普段は普通のフランツ氏ですが、人形に対してはまるで本物の人間に話しかけるかのように接しています。また、工房に通っていた郵便配達人や前の秘書であるジャネットが次々と失踪していることを知り、サリーは次第にフランツ氏の仕業ではないかと疑い始めます。しかし、恋人ボブ（ジョン・エイガー）はこの疑念を気にかけません。

一度は考え過ぎではないかと自分を納得させようとするサリーですが、婚約したボブがフランツ氏のもとに行った直後に行方不明になってしまったことで、再び不安が膨らみます。彼女は警察に向かい、失踪事件を担当するパターソン警部（ジャック・コスリン）に、フランツ氏が人間を人形に変えてしまったと訴えます。しかし、その言葉が真実を明かすことができるのか、物語は緊迫した展開を迎えていきます。

キャスト・スタッフ

• - キャスト:

フランツ氏 - ジョン・ホイト
サリー・レイノルズ - ジューン・ケニー
ボブ・ウェストリー - ジョン・エイガー
アグネス - スーザン・ゴードン
パターソン警部 - ジャック・コスリン
ローリー - マーリーン・ウィリス
スタン - ケン・ミラー

• - スタッフ:

監督：バート・I・ゴードン
脚本：バート・I・ゴードン、ジョージ・ワーシング・イェーツ
撮影：アーネスト・ラズロ
音楽：ドン・A・フェリス
編集：リチャード・シンクレア

脚注

本作は恐怖とサスペンスが巧みに織り交ぜられた作品であり、特に人形に秘められた恐ろしい真実に迫る様子が観客を引き込みます。

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