仁鶴・たか子の夫婦往来

『仁鶴・たか子の夫婦往来』とは

毎日放送（MBSテレビ）が企画・制作し、放送していた視聴者参加型のトーク番組です。1974年4月6日に放送を開始し、およそ3年後の1977年3月26日まで、多くの視聴者に親しまれました。

番組の内容と進行

この番組の最大の特色は、司会を人気落語家の笑福亭仁鶴氏と、その妻である岡本たか子氏という実際の夫婦が務めた点にあります。番組には、事前に公募で選ばれた一般の夫婦がスタジオにゲストとして招かれました。

仁鶴・たか子夫妻は、ゲスト夫婦に対して、日々の生活における夫婦間の出来事や、家族との関係性、そして夫婦円満の秘訣や愛情表現、いわゆる「オノロケ」話をユーモラスに聞き出しました。夫婦間の本音や、普段はあまり語られないエピソードが披露され、視聴者は共感したり、楽しんだりすることができました。番組冒頭には、司会の仁鶴・たか子夫妻自身による、短いながらも息の合ったミニ漫才が披露され、番組の始まりを盛り上げました。

放送時間とネット状況の変遷

番組は放送開始当初、45分番組としてスタートしました。しかし、1975年4月には、日本の放送業界における大きな出来事であった、いわゆる「ネット腸捻転」の解消に伴う編成変更が行われました。これにより、本番組も放送時間が30分に短縮されました。

ネット状況もこの「腸捻転解消」の影響を大きく受けました。番組が始まった1974年4月から1975年3月にかけては、毎日放送が当時、NETテレビ（現在のテレビ朝日）と系列関係を結んでいた関係で、関東地区では東京12チャンネル（現在のテレビ東京）にネットされていました。しかし、1975年4月に毎日放送がTBS系列に移行した後は、関東地区でのネット局も東京放送（現在のTBSテレビ）に変更されました。

さらに、キー局である毎日放送、そして移行後のTBSテレビ以外にも、番組販売という形で全国各地の放送局で放送されていました。具体的には、北海道放送は1974年4月から番組終了までネットしていたほか、1975年4月以降は中部日本放送や中国放送でも放送が開始されました。他にも、富山テレビ（1976年）、山陰中央テレビジョン放送、テレビ愛媛（1976年）、RKB毎日放送（1976年4月以降）など、様々な局で視聴することができました。一方で、名古屋テレビ（1975年3月まで）やテレビ西日本（1976年3月まで）のように、途中でネットを打ち切った局もありました。

番組を支えたスタッフ

番組制作には、各分野の専門家が携わりました。
題字は池坊専永氏
タイトル画は山藤章二氏
構成は足立克己氏、中村進氏
音楽は加納光記氏

などが名を連ねています。

主なネット局

毎日放送（制作・幹事局）
東京12チャンネル（現：テレビ東京、1975年3月まで）
東京放送（現：TBSテレビ、1975年4月から）
北海道放送（1974年4月 - ）
富山テレビ（1976年）
名古屋テレビ（ - 1975年3月）
中部日本放送（1975年4月 - ）
中国放送（1975年4月 - ）
山陰中央テレビジョン放送
テレビ愛媛（1976年）
テレビ西日本（ - 1976年3月）
RKB毎日放送（1976年4月 - ）

『仁鶴・たか子の夫婦往来』は、司会者夫妻の親しみやすい人柄と、視聴者の日常に根ざしたトーク内容で、当時の茶の間に明るい話題を提供した番組として記憶されています。夫婦の絆や家族の暖かさを感じさせる企画は、同ジャンルの『蝶々・雄二の夫婦善哉』や『唄子・啓助のおもろい夫婦』などと比較されることもありました。

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