今井恭司

今井恭司: サッカーカメラマンの軌跡

今井恭司（いまい きょうじ）は1946年1月11日、新潟県刈羽郡高柳町（現在の柏崎市）にて生まれました。彼は6人兄弟の末っ子として育ち、少年時代から写真に対する関心を抱いていました。中学校を卒業後、東京の夜間学校に進学し、その後、東京写真大学（現：東京工芸大学）に入学しました。

卒業後、今井は広告カメラマンとして活動を開始しましたが、サッカー専門誌の制作に関わることで、サッカーカメラマンとしての道を歩み始めました。1972年には、サントスFCと全日本選抜の試合が行われ、これは今井が初めてサッカーカメラマンとして活動するきっかけとなりました。

1970年代は、日本サッカーの黎明期であり、今井はカメラマン兼記者として、日本代表や各クラブチームの国内および海外遠征に同行しました。しかし当時はサッカー写真だけでは生計を立てることが難しかったため、様々なジャンルの写真も手掛けつつ活動を続けました。この時期、彼は独自のスタイルと技術を培い、多くの選手の素顔をカメラに収めていきました。

1982年には、FIFAワールドカップで初めての取材を行い、国際舞台でもその腕前を発揮しました。その後、1985年には自身の会社である株式会社スタジオ・アウパを設立し、より多角的な視点での写真展開を図ります。

1993年にJリーグが開幕すると、再びサッカーブームが訪れました。この流れの中で、長年活動を続けていた今井にも注目が集まりました。特に、彼はジェフユナイテッド市原・千葉のオフィシャルカメラマンに就任し、チームの公式イベントや試合でその存在感を発揮しました。国内外の様々な舞台で取材をし続ける中で、彼の写真は多くのサッカーファンに知られることとなりました。

2017年8月1日には、第14回日本サッカー殿堂に掲額されることが発表されました。この栄誉は、今井の長年の功績を称えるものであり、8月11日に行われたジェフ千葉のホームゲームでは、クラブ関係者やサポーターに祝福されるセレモニーが実施されました。

主な作品

今井恭司の写真や作品は多くの媒体で紹介されていますが、特に注目されるのは以下の著作です。

• - 『写蹴(しゃしゅう) ファインダー越しに見た歴代サッカー日本代表の素顔』 （スキージャーナル、2010年5月28日）。ISBN 978-4789900751。

この作品では、彼が撮影してきた日本代表選手たちの真摯で人間らしい姿が映し出されており、多くのファンに感動を与える内容となっています。

今井恭司は、日本サッカーの歴史と共に歩み続け、その記録を写真という形で残し続けています。これからも彼の作品が、多くのサッカーファンに愛されることでしょう。

もう一度検索