今出川尚季

今出川尚季（いまでがわ なおすえ）は、江戸時代後期に活躍した公卿です。天明3年（1783年）に叙爵し、その後の出世は目覚ましいものでした。清華家の当主として、異例の速さで昇進を重ね、公卿としての地位を確立しました。

官位は正二位まで昇り、権大納言にまで至っています。これは、当時の公家社会において非常に高い地位であり、彼の才能と家柄が大きく評価されていたことを示しています。

寛政4年（1792年）には従三位となり、公卿に列します。その後、右近衛権中将、権中納言といった要職を歴任し、順調にキャリアを重ねました。また、踏歌節会外弁も務めるなど、文化面でも朝廷に貢献しています。

文化2年（1805年）には、権大納言に就任すると同時に、大歌所別当にも任命されました。大歌所別当は、朝廷の歌会を統括する重要な役職であり、彼の歌道における才能も高く評価されていたことが伺えます。しかし、翌年には大歌所別当を辞任し、文化7年（1810年）には権大納言も辞しています。そして同年、29歳という若さでこの世を去りました。


系譜

父：今出川実種
母：水戸藩主・徳川宗翰の娘
妻：関白・鷹司輔平の娘（閑院宮直仁親王の孫娘）
男子：今出川公久（1806年 - 1836年）
妻：家女房
男子：小倉随季（1802年 - 1830年）
養子：賀丸（実父は関白・鷹司政煕、妻の甥）

今出川尚季は、関白鷹司家との繋がりも深く、妻は関白鷹司輔平の娘であり、閑院宮直仁親王の孫娘にあたります。また、養子の賀丸は、関白鷹司政煕の実子であり、妻の甥にあたります。このように、当時の公家社会における婚姻関係や養子縁組は、家格の維持や勢力拡大のために重要な役割を果たしていました。

関連項目

菊亭家

今出川家は、菊亭家とも関係が深く、当時の公家社会における家格や人間関係を理解する上で、その系譜は重要な意味を持っています。彼の短い生涯は、当時の公家社会の構造や文化、そして若くして亡くなった人々の無念さを物語っていると言えるでしょう。

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