今出川公久

今出川公久（いまでがわ きんひさ）は、文化4年（1807年）に叙爵され、公卿としての道を歩み始めました。彼は、侍従、右近衛権少将といった役職を経て、文政元年（1818年）には従三位に叙せられ、公卿の列に加わります。

その後も順調に昇進を重ね、左近衛権中将や踏歌節会外弁といった要職を歴任しました。文政7年（1824年）には、従二位権中納言に任じられ、その地位を確固たるものとします。天保3年（1832年）からは、大歌所別当を兼務し、歌道においても才能を発揮しました。

しかし、天保7年（1836年）に、公久はすべての任職を辞し、その年に31歳という若さで亡くなりました。彼の短い生涯は、公卿としての活動と、歌道への貢献によって彩られています。


系譜

父：今出川尚季
母：鷹司致子（関白鷹司輔平（閑院宮直仁親王王子）の娘）
妻：不詳（生母不詳）

子女

男子：今出川実順（1832-1864）
* 女子：一条美賀子（1835-1894）- 徳川慶喜正室、一条忠香の養女


一条美賀子は、公久の娘であり、一条忠香の養女となった後、徳川慶喜の正室となりました。彼女は、幕末の動乱期を生きた女性として、歴史に名を残しています。

菊亭家

今出川家は、菊亭家とも呼ばれています。菊亭家は、代々歌道に秀でた人物を輩出しており、公久もその一人でした。彼の歌道への貢献は、大歌所別当を兼務したことからも明らかです。

今出川公久は、若くして亡くなりましたが、公卿として、また歌人として、その才能を発揮し、歴史に名を刻みました。彼の一族、特に徳川慶喜の正室となった娘、一条美賀子の存在も、彼の人生を語る上で重要な要素となっています。

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