今子正義

今子正義：映画、テレビ、そして小説の世界を縦横無尽に駆け抜けた脚本家・作家

今子正義（いまこ まさよし）氏は、1937年広島県広島市に生まれ、脚本家、作家として活躍しました。早稲田大学第一文学部卒業という経歴を持ち、その多彩な経験は作品に深みを与えています。

彼のキャリアは、映画界から始まりました。1960年、大映に入社。名匠・増村保造監督に師事し、助監督、シナリオライターとして研鑽を積みます。大映作品を中心に、数々の映画の脚本を手掛けました。青春映画から社会派ドラマまで、幅広いジャンルに挑戦し、その才能を開花させていきます。代表的な作品には、『記録なき青春』（1967年、和プロ作品）、『新・高校生ブルース』（1970年、大映作品）、『遊び』（1971年、大映作品）、『学生妻しのび泣き』（1973年、日活作品）、『女調査員SEXレポート』（1973年、日活作品）、『女子大生SEX夏期ゼミナール』（1973年、日活作品）、『温泉おさな芸者』（1973年、東映作品）などがあります。これらの作品は、当時の社会情勢や若者たちの心情を反映し、高い人気を博しました。映画原案として『大学番外地』（1969年、大映作品）にも携わっています。

大映倒産を機に、今子氏は新たな道を歩み始めます。テレビドラマの取材を通じて、株式会社生保リサーチセンターに入社。その後、損害保険リサーチへと転職し、20年以上に渡り管理・経営に携わりました。この経験は、彼の人生観や創作活動に大きな影響を与えたことは間違いありません。

損害保険業界での経験を活かし、退任後は小説家として第二の人生を歩みます。業界の裏側をリアルに描いた作品は高い評価を受け、数々の賞を受賞しました。代表作である『黒い保険金ーモラルリスク特殊調査員』（2000年、五月書房）は、テレビ朝日でドラマ化されるなど、大きな反響を呼びました。その他にも、『棘のある視線』（1999年、西田書店）、『小説保険金詐欺』（2005年、祥伝社）、『モラルリスク常習者たち』（2008年、作品社）、『自殺保険』（2009年、作品社）、『ファイナル・ステージの怪』（2013年、日本文学館）、『W杯サッカー日本の礎・原爆少年サッカー魂』（2014年、南々社）など、多数の著作を発表しています。『モラルリスク常習者たち』では第29回新風社出版賞フィクション部門最優秀賞を受賞し、『ファイナル・ステージの怪』では日本文学館 第4回The小説大賞を受賞するなど、その作品は高い評価を得ています。

また、テレビドラマの脚本も多数手掛けており、『ザ・ガードマン』（TBS）、『24時間の男』（TBS）、『シークレット部隊』（TBS）などに参加しています。

今子正義氏は、映画、テレビ、小説と、それぞれの分野で独自の表現方法を追求し、多くの作品を生み出してきました。彼の作品は、時代を反映したリアルな描写と、人間の深層心理に迫る洞察力に満ちており、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。彼の生きた証である作品群は、後世に語り継がれるべき貴重な財産と言えるでしょう。 さらに、地元広島の修道高校サッカー部に関する著作『修道高校完全優勝への熱戦記』（2012年、修道サッカーOB会限定版）も発表しています。これは、彼の母校への深い愛情と、地元への貢献を示す作品と言えるでしょう。

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