新・高校生ブルース

新・高校生ブルース

1970年12月25日に公開された日本映画『新・高校生ブルース』は、帯盛迪彦が監督を務めた青春映画です。関根恵子（高橋惠子）と内田喜郎が主演を務め、高校生たちの恋愛と性をユーモラスに描いています。本作は、同年8月に公開された『高校生ブルース』とは設定やストーリーが異なるものの、同じく関根と内田が出演している点で注目されました。

あらすじ

物語は、高校の文芸部に所属する田村京子が、部員たちと「高校生の性」をテーマにアンケートを実施し、学園祭で発表することを決意するところから始まります。一方、クラスの男子生徒である椎名健次、和島亘、岡田正樹の「童貞トリオ」は、アンケートで格好をつけるため、放課後に女性をナンパしますが、誰にも相手にされません。その様子を京子が目撃したことから、物語は動き始めます。

ホームルームで「高校生の恋愛について」議論が交わされる中、健次は「恋愛や性は個人の自由」と主張します。しかし、京子は彼のナンパを批判し、「体の関係よりも愛する気持ちが大切」と反論します。これを受け、童貞トリオは「フラレタリア同盟」を結成。学園祭までの1ヶ月を期限に、童貞卒業を至上目標に行動を開始します。

健次は京子をスケートに誘い、亘は女性教師に勉強を教わるふりをして迫り、正樹は自宅の家政婦にアプローチしますが、いずれも失敗に終わります。しかし、健次は京子との関係を深める中で、同盟の掟に反し、京子への恋愛感情を抱き始めます。

次に、水商売の女性をターゲットにした3人は、キャバレーで同級生の相川サナエがホステスをしているのを目撃し、気まずくなって店を後にします。亘はトラブルに巻き込まれたサナエを助けたことをきっかけに、互いに好意を抱き、初体験を迎えます。

一方、健次は京子に送られたラブレターが正樹によるものだと知り、友情と恋愛の間で葛藤します。最終的に、正樹は身を引くことを決意し、健次のために譲ります。その後、正樹は街で知り合った年上の女性と関係を持ち、童貞を卒業します。

健次は京子とキスをしますが、それ以上の進展はありません。学園祭前日、健次は京子と会いますが、焦りから喧嘩をしてしまいます。怒った京子は、健次を夜の学校に連れて行き、裸になり「私のために他の女性に近づかないで」と懇願します。健次は京子の愛情に気づき、彼女を抱くことなく、「大学に入るまでこのままの関係でいよう」と告げます。

学園祭当日、テニス大会で活躍する京子を応援する健次は、童貞であることへの劣等感が消えたことに気づき、晴れやかな気持ちになります。

キャスト

田村京子 - 関根恵子：文芸部所属で健次の幼なじみ。真面目な性格で恋愛にはプラトニック。
椎名健次 - 内田喜郎：童貞トリオの一人。義理人情に厚く、実は硬派な一面を持つ。
和島亘 - 菅野直行：童貞トリオの一人。おちゃらけた性格だが、決断力もある。
岡田正樹 - 水谷豊：童貞トリオの一人。文学青年だが、未成年ながら喫煙もする。
相川サナエ - 三笠すみれ：京子の同級生でキャバレーのホステス。
館山修一 - 木下清：文芸部所属の優等生で、キザな性格。
桐村 - 益田ひろ子：英語教師。亘に勉強を教える。
佐和 - 荒砂ゆき：正樹の童貞を奪う謎の女性。
美代 - 浅見ちづる：岡田家の家政婦。正樹に襲われる。
エミ - 猪俣光世：ソープランドの風俗嬢。

スタッフ

監督：帯盛迪彦
脚本：今子正義
原作：柴田成人
企画：神吉虎吉
撮影：喜多崎晃
美術：山口煕
音楽：伊部晴美
照明：渡辺長治


『新・高校生ブルース』は、1970年代の高校生たちの恋愛観や性への関心を、コミカルでリアルに描いた青春映画です。友情や恋愛、成長といった普遍的なテーマを扱いながら、当時の若者たちの等身大の姿を映し出しています。

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