今川範将

今川範将の生涯

今川範将（いまがわ のりまさ）は、室町時代中期の著名な武将であり、遠江今川氏の第五代当主としてその名を知られています。範将の出生年は不詳ですが、彼は父今川貞相の子として育ち、戦国の動乱の中で活躍しました。

家系と官位

今川氏は足利氏の一門であり、元々は吉良氏の分家から派生したものです。範将は、祖父と父に続いて伊予守という官位を持ち、その後陸奥守と治部少輔へと昇進しました。その生涯の終焉は、長禄3年（1459年）とされていますが、1459年の年をもって没したとする説や、別の年を提唱する声も存在します。

居館と改姓

当初、範将は遠江堀越郷、現在の静岡県袋井市に居館を構えていました。しかし、永享9年（1437年）には、範将の宗家である今川範忠が永享の乱の戦功によって幕府より「天下一苗字」の命令が出されたため、範将はやむを得ず自らの姓を「堀越」に改めることになりました。実際にはこの改姓の時期については死後の話も持たれており、今川氏の複雑な家系がここに現れています。

斯波氏との抗争

嘉吉元年（1441年）、範将は長年の対立相手である遠江守護の斯波氏との抗争に直面しました。この抗争は甲斐氏の介入によってさらに激化し、見付城を拠点とした戦闘へと展開しました。この時、範将の一族である今川仲秋の子、貞秋が挙兵の中心でもありましたが、斯波持種に敗れ、駿府で自害に追い込まれてしまいます。記録によれば、これらの抗争による混乱は範将の政権に大きな影響を与え続けました。

中遠一揆とその後の影響

長禄3年（1459年）、範将が国を動かす局地的な一揆を起こしますが、その後すぐに大規模な合戦へと発展し、中遠一揆として知られるようになります。この戦闘では、斯波や狩野氏と見付の地で厳しい戦闘が繰り広げられました。しかし、何度も戦闘を重ねても決定的な成果を上げることができず、戦局は膠着状態に入ります。

範将が亡くなった後、遠江では一揆が頻発し、今川氏の力が次第に弱まっていく様子が見受けられます。範将の死はその後の今川氏にとって大きな影響を与え、後継には子の今川貞延が継承することとなりました。

家族

範将の家系は次の通りです。

• - 父：今川貞相
• - 母：不詳
• - 子：今川貞延（男子）、足利義政側室（女子）

今川範将の存在は、彼の家系や時代背景とともに、遠江今川氏及び日本の戦国時代における武将たちの活動を知る上で重要な役割を果たしています。彼の死後、一揆の頻発と政権の弱体化は、戦国時代の一つの象徴とも言えるでしょう。

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