今川仲秋

今川 仲秋について

今川仲秋（いまがわ なかあき）は、南北朝時代後期から室町時代前期にかけて活躍した著名な武将であり、守護大名でもあります。彼は、室町幕府において侍所頭人や遠江、尾張の守護を務めていました。また、今川氏の分家である遠江今川氏の第2代の当主でもありました。

仲秋の初名は国泰（くにやす）であり、後に頼泰（よりやす）や仲秋という名を名乗ります。彼の法名は仲高（ちゅうこう）です。仲秋の父は今川範国であり、兄には範氏や貞世（了俊）、氏兼がいます。彼には4人の子供がいて、その中には貞秋（さだあき）、氏秋（うじあき）、直秋（なおあき）、国秋（くにあき）が含まれていました。また、官位としては中務少輔や右衛門佐に任命されています。

正平23年（応安元年、1368年）には、次兄である了俊の後任として侍所頭人兼山城守護に就任することになります。その後、建徳2年（応安4年、1371年）には、九州探題に就任した兄に従い長門から九州の肥前に下向しました。そして、文中元年（応安5年、1372年）2月には、肥前に侵攻してきた菊池武政を撃退し、筑前に上陸していた兄の軍勢と合流して、大宰府を攻略しました。これ以後、仲秋は兄の代官として肥前に赴き、松浦党の結集や南朝勢力の排除に尽力しました。

元中3年（至徳3年、1386年）頃に京に戻り、元中5年（嘉慶2年、1388年）には遠江守護に任命されました。翌年には、3代将軍である足利義満の厳島神社への参詣に同行し、明徳4年（1393年）には尾張守護としての職務にも就いています。応永2年（1395年）には、義満の出家に伴い自らも出家し、その年に九州探題を解任された兄と共に遠江を半国守護として統治しました。その後、仲秋は兄の養子となりましたが、実権は兄にあるとされています。しかし、甥である了俊の子貞臣を養育するなど、その後見役としての役割を果たしました。

在任中、仲秋に関する記録は少ないものの、彼は堅実な中継ぎとして評価されています。応永19年（1412年）、了俊の今川状が仲秋に授けられ、以後、彼の治世の教訓や手本が継承されていくことになります。

さらに、肥前で残された末子の国秋（彼の母は九州千葉氏）は、肥前佐嘉郡を幕府より与えられ、肥前今川家（今川佐賀家）の祖となることが記録されています。仲秋の歴史的な役割やその影響は、後の武士たちにも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

川添昭二『今川了俊』吉川弘文館〈人物叢書〉、1964年。

関連項目

• - 持永氏
• - かまど神

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