今川義用

今川義用の生涯と業績

今川義用（いまがわ よしもち）は、江戸時代後期の高家旗本として知られています。文化5年（1808年）12月1日、将軍徳川家斉に拝謁し、彼の人生はその時から大きく動き出します。彼は今川義彰の長男として生まれ、文政元年（1818年）11月4日に父の死去を受けて家督を相続しました。

家督を相続した後、文政2年（1819年）には高家職に就任し、従五位下・侍従の称号を受け、さらに後に刑部大輔を名乗りました。その後、上総介に改められ、さまざまな公職を担いました。また、高家としての役割を全うするためには、必要な威儀を整えることが求められましたが、これにはかなりの経済的負担が伴いました。

高家職としての包括的な職務には、日光東照宮の代参使を務めることが含まれており、義用は文政8年（1825年）には伊勢神宮の代参使を、また文政12年（1829年）および天保8年（1837年）には京都御使を果たしています。これらの職務は、彼の地位を高めるとともに、今川家の名声にも寄与しました。

しかし、義用は経済的な問題にも直面していました。特に天保7年（1836年）に発生した天保の大飢饉の際、彼は知行地の百姓たちからの御用金の徴収に苦しむことになりました。多くの百姓たちが彼の屋敷の前になだれ込み、深刻な門訴に発展しました。これは義用にとって非常に困難な状況で、彼の統治能力が試される一因となりました。

さらに、天保9年（1838年）4月には、彼の神田にあった屋敷が大火災に見舞われ、再建のためには再び知行地に御用金を課さざるを得ませんでした。これが原因で、地元の村方で騒動が発生し、下井草村の名主が更迭されるなど、義用の統治は内外からのプレッシャーを強いられる時代に突入しました。

天保10年（1839年）12月28日、今川義用は54歳でこの世を去ります。彼の死去は、今川家にとって大きな痛手であり、彼の統治時代の評価は複雑なものとなっています。

家族

父は今川義彰、母は小笠原政方の娘である栄寿院です。義用の正室は本庄道昌の娘で、寛政6年（1794年）に生まれ、文政9年（1826年）に亡くなりました。法名は霊光院殿鏡室妙円大姉です。

義用には二人の子供がいました。長男は今川義順、次男は西尾治左衛門で、幼名は吟治郎でした。次男は文化9年5月11日（1812年6月19日）に生まれ、嘉永6年12月26日（1854年1月24日）に42歳で亡くなり、長延寺に埋葬されています。西尾治左衛門の法名は窓寒院義山了明居士です。

今川義用の業績と生涯は、江戸時代後期の日本の歴史の中でも特に重要な一部分を形成しており、時代の変化と共に彼の家族の動乱も経たことが窺えます。今川家の21代当主として、彼は多くの試練を乗り越えていますが、経済的な圧迫や内部の問題は、彼の名声や統治力に影を落とすことになりました。

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