今福龍太

今福龍太について

今福龍太（いまふく りゅうた）は、1955年9月30日生まれの日本の文化人類学者、批評家です。東京外国語大学名誉教授の肩書を持ち、文化人類学の枠にとらわれない幅広い分野で活躍しています。東京都出身で、栄光学園高等学校、東京大学法学部を卒業後、1982年からメキシコ、キューバ、ブラジルで人類学的調査に従事しました。1987年にはテキサス大学オースティン校大学院博士課程を単位取得しています。

研究活動

今福龍太は、エル・コレヒオ・デ・メヒコ、中部大学、慶應義塾大学SFC、カリフォルニア大学サンタクルーズ校などで研究員や教員として勤務しました。1998年に札幌大学教授、2005年に東京外国語大学大学院教授を経て、2020年からは和光大学現代人間学部人間科学科特任教授を務めています。また、2024年11月からは台湾の淡江大学招聘教授として教鞭を執ることが決定しています。さらに、2000年にはサンパウロ大学日本文化研究所客員教授、現在はサンパウロ・カトリック大学客員教授として、コミュニケーション・記号学研究科大学院でセミナーを開催しています。

受賞歴

今福龍太は、その研究活動と著作活動において数々の賞を受賞しています。2017年には『ヘンリー・ソロー　野生の学舎』で読売文学賞（第68回、随筆・紀行部門）を受賞。2020年には『宮沢賢治　デクノボーの叡知』で宮沢賢治賞（第30回）および角川財団学芸賞（第18回）を受賞しています。

独自の研究スタイル

今福龍太は、文化人類学の巨匠である山口昌男の影響を受け、従来の文化人類学の枠にとらわれず、周辺領域にも積極的に足を踏み入れています。彼の研究スタイルは、フィールドワークに重きを置きながらも、独自の視点と文体で論を展開することに特徴があります。その著作は、文化人類学のみならず、文芸、スポーツ、写真論など多岐にわたり、幅広い読者層に支持されています。

主な著書

今福龍太の主な著書には、以下のようなものがあります。

『荒野のロマネスク』（1989年）
『クレオール主義』（1991年）
『野性のテクノロジー』（1995年）
『群島 - 世界論』（2008年）
『レヴィ＝ストロース　夜と音楽』（2011年）
『書物変身譚』（2014年）
『ハーフ・ブリード』（2017年）
『宮沢賢治　デクノボーの叡知』（2019年）
『原写真論』（2021年）
『言葉以前の哲学　戸井田道三論』（2023年）
* 『霧のコミューン』（2024年）

これらの著書は、彼の学術的な業績を示すだけでなく、独自の思想や文学的な才能を反映しています。

その他の活動

今福龍太は、著書以外にも、多数の共著、編著、翻訳を手がけています。また、自身で運営するホームページ「カフェ・クレオール」では、自身の活動に関する情報を発信しています。

まとめ

今福龍太は、文化人類学を基盤としながらも、既成の学問分野にとらわれない独自の視点で、幅広い分野において精力的に活動を続けている研究者、批評家です。その著作は、学術的な価値はもちろんのこと、文学的な魅力にも溢れており、多くの読者に刺激と感動を与え続けています。

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