今竹七郎

今竹七郎—日本のモダンデザインの先駆者

今竹七郎（いまたけ しちろう、1905年10月5日 - 2000年2月26日）は、日本のデザイナーおよび画家であり、特にグラフィックデザインの分野で多大な影響を与えた人物です。今竹は日本のモダンデザインの父と呼ばれ、日本のデザイン界において重要な地位を占めていました。

生い立ちとキャリア

兵庫県神戸市に生まれた今竹は、戦前には大丸百貨店や髙島屋の宣伝部で働いていた経験があります。戦後、日本のデザイン界が再構築される中で彼は独立し、1929年には中山岩太らと共に神戸商業美術研究会を発足。また、1937年には「プレスアルト」の発起人となり、自身のデザイン理念を広めていきました。

彼の業績は、特に関西のデザイン界において戦前戦後を通じて重要な役割を果たしました。多くのデザイン界の先駆者たちと共鳴しながら、彼は独自のスタイルを確立し続けました。

代表的な作品

今竹七郎のデザインは、日常のアイテムにも反映されています。彼の代表的な作品には、輪ゴム（共和の「オーバンド」）のパッケージデザインや、「メンソレータム」の看護婦の少女、さらに「メンターム」の少年のキャラクターがあります。これらのデザインは、ブラシアップされた視覚的な魅力と親しみやすさを兼ね備え、今日でも多くの人に覚えられています。

また、南海ホークスのシンボルマークや関西電力の社章デザインも手がけており、彼の作品は身近な存在に感じられるものが多くあります。

個性とスタイル

今竹はただのデザイナーではなく、自己表現にも積極的に取り組んでいました。彼は自身のおしゃれにもこだわり、特にな特徴的だったのが左右非対称のメガネフレームです。この独特のスタイルは、彼の個性を強く印象付けています。

最期の年

彼は2000年2月26日に94歳で亡くなりましたが、その業績は今なお多くの人々に影響を与えています。今竹の作品やデザイン理念は、今後も日本のデザイン界において重要な遺産として残り続けることでしょう。

参考文献

• - デザインのモダニズム　今竹七郎（兵庫県立近代美術館と西武百貨店（池袋）で1989年に開催された展覧会のカタログ）
• - 昭和のモダニズム　今竹七郎の世界（西宮市大谷記念美術館で1998年に開催された展覧会のカタログ）
• - グラフィックデザイン、モダン絵画の先駆者　今竹七郎とその時代（今竹七郎の記録編集員会・編、誠文堂新光社、2003年）

関連項目

• - 西宮市
• - 亀倉雄策
• - 田中一光
• - 永井一正
• - 鶴岡一人
• - 杉浦忠
• - 綱島理友

今竹七郎の功績は、デザイン界における彼の独特の視点と美的感覚を通じて、今も多くの人々に感動と影響を与え続けています。

もう一度検索