仏眼寺 (仙台市)

仏眼寺の概要

仏眼寺（佛眼寺）は、宮城県仙台市若林区にある日蓮正宗の寺院で、その山号は法龍山と呼ばれています。この寺院の根檀家は、江戸時代から続く商人や武士の家系が多く、その歴史が深く刻まれています。

歴史

仏眼寺の歴史は1305年まで遡ります。この年、陸奥国信夫郡笹木野村（現在の福島県福島市笹木野）に創立され、開基は日蓮正宗第3祖の日目の弟子である日尊です。その後、1674年に仙台藩・仙台城の城下町に移転し、寺院は地域社会の中心となりました。

1764年には、仙台に大石寺の末寺を建てようと試みる中で、他宗の僧侶や役人からの反対により「仙台法難」が起こりました。この際、仏眼寺の信徒たちは迫害を受けました。また1804年には「洞ノ口法難」が発生し、寺は再び困難な状況に直面しました。

1928年には、要法寺が仏眼寺を自らの末寺だと主張し勝訴します。この事件を受け、当時の住職は信徒の協力を得て山門の隣に仮本堂を建設し、仏眼寺の明渡しを求めました。しかし、日蓮正宗には1943年に復帰し、再び信仰の場としての役割を果たすこととなります。

2005年には、創立700周年を祝う法要が盛大に行われました。

寺宝

仏眼寺の寺宝として特に注目されるのが、伊達家が所有していた「飛び曼荼羅」です。この曼荼羅は日蓮と弟子の日興の合作で、本堂の天井に飾られています。年に一度、虫払い法要に合わせて一般公開されることがあります。

伝承によれば、飛び曼荼羅は伊達家の家宝であり、様々な事情で質屋に渡ってしまったと言われています。仙台の大火の際、その蔵から飛び出し青葉山の松の枝に引っかかっていたことが知られています。その後、火が収束し、城に被害がなかったことを知った伊達家の当代は、この曼荼羅を再び家宝として大切にしました。ただし、この話には偽作説や伝承偽造説も存在します。

また、日尊開基のために仏像や謗法物が一時存在していたともされ、現在も境内には灯篭に刻まれた石本尊が見られます。

寺院周辺

仏眼寺の周辺には、仙台市立病院や仙台荒町郵便局があります。また、アクセスは仙台市地下鉄南北線・五橋駅または愛宕橋駅から徒歩8分となっており、隣接する昌傳庵とは荒町公園を介して訪問できます。

仏眼寺はその豊かな歴史と文化的価値を持つ寺院であり、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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