要法寺

要法寺について

要法寺（ようぼうじ）は、京都市左京区に所在する日蓮本宗の大本山で、山号は多宝富士山として知られています。本尊には十界曼荼羅があり、日興の法脈を引き継ぐ富士門流に属しています。この境界には、静岡県の富士五山や、保田妙本寺、伊豆実成寺などと共に、同門流の興門八本山の一部として、歴史的な意味を持っています。

概要

本寺の開山は日尊であり、初めに京都に法華堂を建立したことがその始まりとされています。日辰の手により、上行院と住本寺の統合が成され、要法寺が設立されました。日蓮本宗は宗祖日蓮、二祖日興、三祖日目、そして日尊の4代の住職が重要な役割を果たし、その流れは現在に至るまで続いています。要法寺の境内は広さ1万3500平方メートルを誇り、歴史的な建物が立ち並んでいます。また、境内の墓地には藤原真夏を祖とする日野家やその支流の外山家の墓碑が設けられています。

歴史

日尊が諸国を巡っている最中、延慶元年（1308年）に京に法華堂を開いたのが、要法寺の創立の始まりです。その後、日尊は師の日目と共に天奏に赴くため京へ向かいましたが、途中で日目が亡くなるという不幸に見舞われます。そこで日尊は師の意志を引き継ぎ、元弘4年（1334年）に後醍醐天皇に対して天奏を行い、皇室から寺地を寄進され、後に上行院として発展していくことになります。

日尊はまた、興国3年（1342年）に弟子の日印を招いて上行院を授けています。そして、興国6年（1346年）、日尊が81歳で亡くなります。さらに正平17年（1362年）には、日尊の他の弟子である日大が冷泉西洞院に別の法華堂を設け、これが後の住本寺となるのです。当初上行院と住本寺は共に日尊の弟子が住職を担っていましたが、二者の間には深い確執があったと言われています。

天文5年（1536年）には、比叡山延暦寺による天文法乱の影響で、両院を含む法華宗の重要な寺院が焼失しました。しかし、天文17年（1548年）には宗徒の帰洛が許可され、再建が始まる中で、住本寺の広蔵院日辰が上行院と住本寺を統合する提案をし、新しい寺院が設立されました。これが要法寺の設立の根拠ともなったのです。

豊臣秀吉の命により、天正19年（1591年）には寺院が京極二条東に移転します。そして江戸時代の中期には宝永の大火やその後の火事によっても被害を受けますが、その都度再建されています。

近代の動向

近代においては、要法寺は1876年に末寺84ヶ寺を持つ教団に参加し、1899年には日蓮宗興門派として改称されます。1915年には再度仏像を撤廃し、1941年には新たに日蓮宗が結成される際に重要な役割を果たしました。1950年には日蓮宗から独立して日蓮本宗を形成することになりますが、旧末寺の一部は残留しました。

境内の特徴

境内には、再建された本堂や開山堂、清涼池など多くの重要な建物があり、これらは歴史的な建築物としての価値も持っています。また、重要文化財として金銅蓮華唐草文透彫経箱も納められています。年中行事としては、日蓮聖人の誕生を祝う行事や、立教開宗会、宗祖御会式などが行われています。

アクセス

要法寺は京都市営地下鉄東山駅から徒歩3分の距離に位置し、訪れるには便利な場所にあります。駐車場も完備されています。

要法寺はその豊かな伝統と歴史を持つ寺院であり、多くの信者や観光客が訪れる場所となっています。

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