仏眼院 (各務原市)

仏眼院の概要

仏眼院（ぶつがんいん）は岐阜県各務原市の前渡西町に存在する真言宗醍醐派の寺院です。この寺院は山号を矢熊山とし、通称「前渡不動尊」と呼ばれています。特に眼病の改善にご利益があるとされるため、地域では多くの信仰を集めています。

本尊と札所の位置づけ

仏眼院の本尊である不動明王は千葉県成田山からの分身として位置づけられており、霊場として多くの人々に親しまれています。また、仏眼院は美濃四国札所の第25番札所であり、信者にとって重要な巡礼地でもあります。

歴史的背景

仏眼院の創立は、江戸時代にさかのぼります。前渡の旗本であった坪内家の家臣、山本軍八郎の息子・秀之助が盲目になり、成田山の不動明王に眼病の回復を祈願したことが始まりです。その後、秀之助は感謝の気持ちを込めて得度し、僧名を明心に改名しました。1890年、矢熊山の山頂に仮堂を建設したことから、今の仏眼院の礎が築かれます。

1891年には、京都の醍醐山にあった土御門天皇の祈願所であった仏眼院が移転し、現在の地に安置されます。この移転は地域において大きな意味を持ち、以降は厄除けの霊場としても広く知られるようになりました。1927年には岐阜県の十名所にも選ばれ、その名は広まっていきました。

建物の歴史

現在の本堂は1900年に再建され、その後も鐘楼堂や弘法堂といった各種施設が次々と整備されてゆきます。1910年には鐘楼堂が、1928年には弘法堂が建設され、寺院の重要な構成要素となっています。今も仏眼院を受け継ぐ歴代の住職は、初代の明心から始まり、了明、了英、心行、優王と続いています。

交通アクセス

仏眼院へのアクセスには、名鉄各務原線の二十軒駅から約4kmの距離を歩くか、各務原市ふれあいバスを利用し、稲羽線「前渡不動前」バス停で下車します。また、名鉄各務原線の各務原市役所前駅や三柿野駅からも路線バスが利用可能です。

その他の見どころ

仏眼院の近くには、承久の乱における戦の供養塔があり、歴史的価値を持っています。また、山頂には高さ2メートルの「開山明心之碑」が設置され、訪れる人々にその歴史を伝えています。

仏眼院はただの寺院ではなく、信仰と歴史が交錯する場所です。多くの人々がこの地を訪れ、心の安らぎとともに、目の病を癒す祈りを捧げています。

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