土御門天皇

土御門天皇（つちみかどてんのう）

土御門天皇は、鎌倉時代初期の第83代天皇で、諱は為仁（ためひと）です。後鳥羽天皇の第一皇子として、1195年または1196年に誕生しました。母は、源通親の養女である承明門院・源在子です。

生涯

即位と院政

1198年、わずか3歳で父・後鳥羽天皇から譲位を受け即位しました。しかし、幼少のため、実質的な政治は後鳥羽上皇による院政が行われました。土御門天皇は穏やかな性格でしたが、後鳥羽上皇は幕府との関係を不安視し、1210年に異母弟の順徳天皇に譲位させました。その後、土御門天皇は上皇となりました。

承久の乱と配流

1221年、後鳥羽上皇が鎌倉幕府に対して兵を挙げた承久の乱が勃発しました。土御門上皇は、この乱には全く関与していませんでしたが、父である後鳥羽上皇が配流となったことを深く憂い、自らも土佐国への配流を願い出ました。その後、阿波国に移され、鎌倉幕府から手厚い待遇を受けました。

出家と崩御

1231年、土御門上皇は出家し、その生涯を閉じました。享年37歳でした。11年後には、土御門上皇の皇子である邦仁王が後嵯峨天皇として即位し、その子孫が皇位を継承しました。

人物

土御門天皇は、穏やかで心優しい性格であったと伝えられています。父・後鳥羽上皇の意向で退位を余儀なくされたり、承久の乱後には自ら配流を申し出るなど、その生涯は波乱に満ちたものでした。

系譜

中宮：藤原（大炊御門）麗子（陰明門院）
典侍：源（土御門）通子

春子女王
覚子内親王（正親町院）
仁助法親王
静仁法親王
邦仁王（後嵯峨天皇）

宮人：高階氏（美作掌侍）
道仁法親王
宮人：源氏
秀子女王
宮人：某氏（尾張局）
尊守法親王
宮人：源氏
尊助法親王
宮人：藤原氏（治部卿局）
道円法親王
信子女王
宮人：源氏（大宮局）
曦子内親王（仙華門院）
宮人：藤原氏
最仁法親王
知子女王
宮人：藤原氏
増仁
諄子内親王
宮人：某氏（丹波局）
是子女王
生母不明
懐尊
寂恵
皇女（野依の姫宮）

在位中の元号

建久 （1198年 - 1199年）
正治 （1199年 - 1201年）
建仁 （1201年 - 1204年）
元久 （1204年 - 1206年）
建永 （1206年 - 1207年）
承元 （1207年 - 1210年）

陵墓

土御門天皇の陵は、京都府長岡京市にある金原陵に定められています。また、徳島県鳴門市には、土御門天皇を祀る阿波神社があります。皇居内にある皇霊殿にも、他の歴代天皇・皇族とともに祀られています。

関連作品

テレビドラマ
草燃える（1979年、NHK大河ドラマ） - 演：岡義洋

関連項目

阿波神社
御所神社 (阿波市)

土御門天皇は、その短い生涯の中で、激動の時代を生き抜いた天皇でした。その穏やかな人柄と、父への深い愛情から自ら配流を申し出た姿は、後世に語り継がれています。

もう一度検索