他魯毎

他魯毎の生涯とその影響

他魯毎（たるみい、? - 1429年）は、古琉球の南山王国の最後の統治者であり、その在位期間は1415年から1429年にかけてでした。彼の名は琉球の言葉で「太郎思い」と表記され、これが当て字と考えられています。正史『球陽』によれば、彼は第3代南山王である汪応祖の長男とされています。

政治と治世

他魯毎が国王として即位した際、彼には多くの外的及び内部の課題が待ち受けていました。彼の父、汪応祖は伯父により殺害されており、その影響を受けた他魯毎は、諸按司と協力し、敵である達勃期を打倒することに成功しました。1415年、明から正式に冊封を受けて南山王として即位したものの、彼の治世は決して平穏ではありませんでした。

彼は横暴な性格を持ち、日々政治を顧みることなく、酒や女性に耽り続けていました。そのため、多くの民衆と周囲の支持を失い、酷薄な王としての評価を受けるようになりました。彼の統治下では、民の生活は厳しく、按司たちの支持を得ることもできず、次第に国の内部は混乱していきました。

滅亡への道

他魯毎の治世は1429年に終わりを迎えます。この年、尚巴志が南山に攻め込み、彼の統治は崩壊します。尚巴志が他魯毎に対し、南山の貴重な水源である嘉手志川と金の屏風との交換を提案したとき、他魯毎は何も考えずにその提案を了承しました。この決定は、彼にとって徹底的な信望の喪失を意味し、嘉手志川を利用していた人々は彼に対しての不満を抱くようになりました。このように彼の統治が敗北に至った背景には、彼の政治に対する無関心と、無思慮な判断が大きく影響しています。

系譜と家族

他魯毎の家族については、父は汪応祖であり、母については不詳です。彼には複数の弟がおり、彼らの中には南風原按司を守る忠だった阿衡基、豊見城按司、国吉大屋子、座波掟および座波之子などが含まれています。これらの家族は、琉球の政治と社会においてさまざまな役割を担いました。

まとめ

他魯毎の存在は、南山王国の歴史の終焉を告げるものであり、その治世は彼自身の性格と判断に対する大きな教訓を残しています。彼の統治は、酒色に溺れていった統治者の典型的な例として、琉球の歴史の中で語り継がれることとなりました。

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