仙台国際空港

仙台国際空港株式会社

仙台国際空港株式会社（英文名：Sendai International Airport Co.,Ltd.）は、東北地方の空の玄関口である仙台空港の運営を主たる目的として、2015年11月2日に設立された企業です。この設立には、東急株式会社、株式会社前田建設工業、豊田通商株式会社をはじめとする複数の民間企業が出資しています。同社は、2016年7月1日に日本で初めて実施された国管理空港の民営化における特定運営事業を担うために設立され、空港の運営事業全般を引き継ぐこととなりました。

設立経緯

仙台空港の民営化に向けたプロセスが進む中で、国土交通省は2015年9月11日、仙台空港特定運営事業の優先交渉権者として東急前田豊通グループを選定しました。これに基づき、同グループは事業実施のための特定目的会社として、同年11月2日に仙台国際空港株式会社を設立しました。設立後間もなく、同年12月1日には、国土交通省との間で空港運営権に関する実施契約が正式に締結され、空港の運営権が22億円で譲渡されることとなりました。

空港運営の全面引き継ぎに先立ち、仙台国際空港株式会社は、空港機能の一部を担っていた既存企業を傘下に収め、事業体制を強化しました。具体的には、空港ターミナルビルの運営を行っていた第三セクター企業である仙台空港ビル株式会社と、航空貨物取扱業務を担っていた仙台エアカーゴターミナル株式会社を、2016年2月1日付で完全子会社化し、それぞれの事業を開始しました。さらに同年6月1日には、これら2社に加えて、かつて空港運営の一部を担っていた仙台エアポートサービス株式会社を含む傘下企業3社を吸収合併し、社内体制を一本化しました。こうして準備が整った後、2016年7月1日より、それまで国が担っていた滑走路等のインフラ維持管理や着陸料収受といった空港事業全般を引き継ぎ、仙台空港の全面的な運営を開始しています。

事業内容

仙台国際空港株式会社の主要な事業は多岐にわたり、空港運営に関わる広範な業務をカバーしています。主な事業内容は以下の通りです。

空港ターミナルビルの運営: 2016年6月1日の吸収合併により、仙台空港ビル株式会社および仙台エアポートサービス株式会社から承継した中心的な事業です。空港ターミナルビルを所有・管理し、航空会社に対してカウンターや事務室などのスペースを提供しています。また、空港内の各種事業者（物販店、飲食店など）に対しても、店舗スペース、事務室、倉庫といった多様な貸室を提供しています。その他、旅客への案内サービスや共用施設・設備の提供、施設内の広告媒体の設置・運営なども重要な業務です。ターミナルビル内には、自社で運営する売店が複数あります。具体的には、国内線側（西側）のショッピングアベニュー、国内線出発ロビー付近、国内線搭乗待合室内の3箇所と、国際線出国待合室内の免税店です。さらに、広告代理業や損害保険代理業、空港敷地内駐車場の経営・管理も行っています。

空港でのイベント企画・実施: 空港を訪れる方々に楽しんでいただくため、ターミナルビル内の空間を活用した様々なイベントを企画・実施しています。南側の吹き抜けや1階到着ロビー、3階フロアなどでは、夏には華やかな七夕飾りが飾られ、冬には美しいクリスマスイルミネーションによるライトアップが行われます。ターミナルビル中央部では、定期的に催し物や展示会が開催され、賑わいを見せています。また、屋上展望テラスでは、夏季を中心に年に数回ビアガーデンが開催され、空港の利用客だけでなく地域の人々にも親しまれています。

* 貨物取扱業務: この事業は、2016年6月1日の吸収合併により、仙台エアカーゴターミナル株式会社から引き継いだものです。空港ターミナルビル西側の近隣に位置する航空貨物取扱施設を運営しており、航空貨物輸送の円滑化を支えています。運営する主な施設には、国際貨物棟、航空会社貨物棟（JALカーゴやANAカーゴなどが入居し、各社が運営）、国内貨物代理店棟、テント倉庫、燻蒸庫、冷凍・冷蔵庫などがあり、多様なニーズに対応した貨物処理能力を備えています。

仙台国際空港株式会社は、これらの幅広い事業を通じて、東北地方における航空ネットワークの拠点である仙台空港の機能維持・強化と、地域社会の発展に貢献しています。

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