仙台市ガス局について
仙台市ガス局は、
宮城県仙台市とその周辺地域を対象に、
都市ガス供給を行う公営企業です。
仙台市、多賀城市、名取市、富谷市、
大和町、
利府町、
大衡村という4市2町1村に
都市ガスを供給しており、その規模は公営ガス事業としては国内最大級です。民間企業を含めた供給戸数でも、全国で8番目の規模を誇ります。
ガス供給の特徴
仙台市ガス局は、
太平洋側の
仙台港と
日本海側の新潟東港という2つのルートからガスを調達しています。
仙台港へは
マレーシアから液化
天然ガス(LNG)を
タンカーで輸入し、新潟東港からはパイプラインを通じて
天然ガスを輸送するという独自の体制を構築しています。この二重の調達ラインが、
東日本大震災からの迅速な復旧を可能にした要因の一つです。
歴史
仙台市ガス局の歴史は、戦前の民間企業「仙台瓦斯株式
会社」の買収から始まりました。
1941年、戦時下の要請で
仙台市が同社を買収し、公営化しました。この経緯は、全国的に見ても珍しく、
政令指定都市で同様の形態をとるのは
仙台市のみです。
第二次世界大戦では、
仙台空襲によりガス事業は壊滅的な被害を受けましたが、戦後、復旧工事が進められ、徐々に供給が再開されました。
1952年には
地方公営企業法に基づき、水道ガス事業局が発足、その後、
1956年にガス事業が独立し、
仙台市ガス局が誕生しました。
年表
1909年: 「仙台瓦斯株式会社」設立
1910年: 清水小路工場で
石炭ガス製造開始
1941年: 仙台市が仙台瓦斯を買収し、公営化
1945年:
仙台空襲でガス事業壊滅的な被害
1950年: ガス供給24時間化
1952年: 水道ガス事業局発足
1956年: 仙台市ガス局設立
1973年: 港工場竣工
1978年: 原町工場廃止
1997年: 新港工場操業開始
2002年: 新潟・仙台天然ガスパイプラインと接続
2004年: 港工場廃止
2005年: 新港工場を港工場に改称
2011年:
東日本大震災で港工場被災。全域で供給不能に。その後復旧
2014年: 名取市にバックアップステーション完成
近年、仙台市はガス事業の民営化を検討してきました。しかし、民営化に向けた交渉が難航し、一旦は頓挫しました。その後、民営化推進委員会が設置され、再度民営化に向けた動きが進められましたが、2021年には最優秀提案者が「該当なし」と判断される事態となりました。今後の動向が注目されます。
主要施設
仙台市ガス局は、幸町庁舎を拠点に事業活動を行っています。また、ガスに関する情報を発信するショールーム「Gas Salon」も運営しています。加えて、将監サービスセンターなどのサービス拠点も展開しており、地域住民へのサービス提供に努めています。
供給エリアとパイプライン
仙台市ガス局の供給エリアは、仙台都市圏のDID地区を中心に広がっています。また、仙台市外の周辺自治体にも供給しており、約36万戸の家庭や約80の事業者と契約を結んでいます。ガスパイプラインの総延長は約4,100kmに及びます。
広告活動
仙台市ガス局は、テレビCMやイベントなどを通じて、積極的に広報活動を行っています。イメージキャラクターには、地元で活躍するタレントを起用し、親しみやすいイメージの定着を図っています。また、アニメ番組へのスポンサー提供も積極的に行っています。
スポンサー番組
名探偵コナン(ミヤギテレビ)※
宮城県都市ガス協会として
こうちゃんの幸せごはん(仙台放送)
関連企業
仙台市ガス局は、以下の関連企業を通じて、ガス事業をサポートしています。
仙台ガスサービス株式
会社
仙台ガスエンジニアリング株式会社
仙台エルピーガス株式
会社
* 株式
会社クリーンエナジー
まとめ
仙台市ガス局は、地域社会のインフラを支える重要な役割を担っています。公営企業としての責任と、時代の変化に合わせた柔軟な対応が求められています。その歴史は、
仙台市の発展と共にあり、これからも地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。