仙台農業協同組合

仙台農業協同組合（JA仙台）について

仙台農業協同組合（JA仙台）は、宮城県仙台市宮城野区新田東に本店を構える農業協同組合です。愛称はJA仙台として親しまれ、利府町の指定金融機関、仙台市の指定代理金融機関としての役割も担っています。

歴史

広域合併への動き

1990年代、農業を取り巻く環境は大きく変化し、米の自由化や米価の低迷が深刻化していました。このような状況下、宮城県農業協同組合中央会（JA宮城中央会）は、県内の単位農協を広域農協へ統合する方針を打ち出しました。1995年11月の県農協大会では、当時93あった単位農協を1997年までに11の広域農協へ統合する計画が決議されました。

仙塩地区では、当初10の農協（JA仙台原町、JA仙台市、JA宮城、JA仙台市西、JA秋保町、JA利府町、JA宮城松島町、JA仙台市泉、JA多賀城市、JA七ヶ浜町）による広域合併が計画されました。しかし、JA仙台市泉、JA多賀城市、JA七ヶ浜町が参加を見送ったため、残る7農協が合併し、1998年3月1日にJA仙台が発足しました。

その後の拡大

2002年4月1日には、合併を見送っていたJA仙台市泉、JA多賀城市、JA七ヶ浜町を吸収合併。これにより、仙台市、多賀城市、塩竈市、宮城郡を営業基盤とする広域農協として確立しました。

再編と単独路線

2015年末、JA宮城中央会は県内14農協を3農協に再編する方針を示し、JA仙台は仙南地区の4農協（名取岩沼、岩沼市、みやぎ亘理、みやぎ仙南）との統合案が提示されました。しかし、JA仙台は東日本大震災からの復旧復興が道半ばであり、中山間地の活性化も急務であるとして、2016年3月31日に再編への参加を見送る方針を表明しました。

再び合併へ

その後、組合員数の減少や高齢化、経営の悪化といった共通の課題に直面したJA仙台は、岩沼市、名取岩沼、みやぎ亘理の各農協と合併する方針に転換。2025年4月1日付で新「JA仙台」を発足させることを決定し、2024年9月18日に予備締結を結びました。

事業内容

JA仙台は、組合員の農業支援を中心に、多岐にわたる事業を展開しています。

農業支援事業: 農産物の流通支援、農機具の販売などを通じて、組合員の農業経営をサポートしています。
金融事業: 組合員向けの貯金、融資などの金融サービスを提供しています。
共済事業: 生命共済、建物共済などの共済事業を通じて、組合員の生活を保障しています。
燃料販売事業: 子会社の株式会社ジェイエイ仙台を通じて、プロパンガスや石油などの燃料を販売しています。
不動産事業: 不動産の売買、賃貸、管理などを行っています。
冠婚葬祭事業: 葬儀や結婚式などの冠婚葬祭サービスを提供しています。
介護事業: 介護施設の運営や訪問介護などの介護サービスを提供しています。

また、地域の都市化が進み、農家以外の組合員が増えていることから、農業支援事業以外にも力を入れています。特に米穀の流通支援に力を入れており、カントリーエレベーターを仙台市内に2基保有しています。

沿革

仙台市農業協同組合時代

1964年8月：七郷、六郷、生出、長町、高砂、岩切、西多賀、中田の仙台市内の8農協が合併し、仙台市農業協同組合が発足。

合流した各農業協同組合の前史

1965年4月：大沢、広瀬、新川、広瀬中部の4農協が合併し、宮城町農業協同組合が発足。
1966年2月：宮城町農業協同組合が芋沢農業協同組合を編入し、宮城農業協同組合に改称。
1985年2月：多賀城市農業協同組合が塩釜市農業協同組合を編入。

仙台農業協同組合として

1998年3月1日：JA仙台原町、JA仙台市、JA宮城、JA仙台市西、JA秋保町、JA利府町、JA宮城松島町が合併し、仙台農業協同組合が発足。統一金融機関コードはJA仙台市が使用していた3636を使用。
1999年月1日：品井沼出張所を廃止。その後、店舗外ATMとして、松島支店JR品井沼駅前出張所が設置。
2001年3月16日：市場内出張所を東口支店に統合。
2001年11月19日：沖野支店を六郷支店に統合。その後、旧沖野支店代替の店舗外ATMとして、六郷支店サンマリ沖野店出張所を設置。
2002年2月18日：赤坂支店を宮城支店に統合。
2002年4月1日：JA仙台市泉、JA多賀城市、JA七ヶ浜町を吸収合併。これにより、6支店を開設。
2002年6月3日：農林中央金庫仙台支店の移転先である宮城県農業会館（現在のJAビル宮城）内に、仙台農業協同組合としては初の新店である上杉支店を開設。
2005年1月4日：勘定系システムの初代JASTEMへの移行完了。
2006年7月10日：本店を現在地に移転（同時に、本店に同居していた東口支店は、新たな本店内に移転する新田支店に統合される形となり、新田支店が新田東支店に改称された）、小鶴支店を岩切支店に統合。
2007年4月26日：塩釜支店が多賀城支店に統合。同時に、岡田支店を高砂支店に、白沢支店と芋沢支店を宮城支店に、秋保支店を生出支店にそれぞれ統合。
2010年5月6日：勘定系システムの2代目JASTEMへの移行完了。
2013年2月12日：長町支店を太白区長町四丁目から現在の同六丁目の新店舗に移転。
2015年6月22日：松島支店を敷地内に新築移転。
2016年2月29日：東日本大震災で被災した原町支店を新築するため、従来の店舗裏手に設置した仮店舗に移転。
2016年3月18日：同日開業したエスパル仙台東館の2Fに、直営の洋菓子店である、メゾン・ド・ガトーTANABATA エスパル仙台店を開店。
2016年3月25日：東日本大震災による甚大な被害のため、信用事業再編強化法に基づき国から資本注入を受けた105億円を返済。
2016年10月3日：東日本大震災で被災し、以降仮店舗営業を行っていた七ヶ浜支店が元位置に新築移転。
2016年11月26日：ATMでのPay-easyサービスを開始。
2017年1月23日：原町支店の新店舗を、元位置に新築移転。
2017年12月1日：経済事業・直販事業および宅地等供給事業を担う子会社「株式会社ジェイエイ仙台」を設立。
2018年1月9日：2代目JASTEMのマシンリプレース。
2024年4月1日：七ヶ浜支店と松島支店の融資業務を廃止し、多賀城支店が継承。
2025年4月1日：名取岩沼農業協同組合、岩沼市農業協同組合、みやぎ亘理農業協同組合を吸収合併し、仙台農業協同組合として発足予定。

子会社

株式会社ジェイエイ仙台

外部リンク

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