カントリーエレベーター

カントリーエレベーターとは

カントリーエレベーターは、穀物を貯蔵するための施設であり、巨大なサイロ、穀物搬入用のエレベーター、乾燥施設、調製施設などで構成されています。特にアメリカのグレートプレーンズでは、高さ40メートルを超える巨大な穀物倉庫が林立し、「プレーリーの摩天楼」と称される独特の景観を作り出しています。

発祥

カントリーエレベーターは、アメリカ合衆国の穀倉地帯で大型化した貯蔵用サイロが起源です。大型化に伴い、穀物の搬入に巨大なエレベーターが用いられるようになったことから、「田舎にあるエレベーター」という意味でその名が付いたという説があります。

また、穀物の集積地にあるカントリーエレベーターは「ターミナルエレベーター」と呼ばれます。アメリカ合衆国の穀物輸出拠点であるニューオーリンズには、多くのターミナルエレベーターが設置されています。

日本のカントリーエレベーター

日本におけるカントリーエレベーターの導入は、1964年に農林水産省がモデル事業としてアメリカのカントリーエレベーターを参考にした施設を導入したのが始まりです。しかし、日本のカントリーエレベーターは、それまで整備されてきた貯蔵施設を持たない「ライスセンター」の進化版という側面が強く、米の乾燥、調製、貯蔵の3つの役割を担い、農家の労働環境改善を目的として設置が進められました。

アメリカのカントリーエレベーターが大豆、トウモロコシなど様々な穀物を対象とするのに対し、日本では主に米を対象としています。転作で麦を対象にすることもあります。

乾燥方式には、米麦を乾燥後にサイロで貯蔵するA方式と、サイロに充填した後でサイロ内で乾燥を行うB方式があります。

関連項目

サイロ
穀物エレベーター連続爆発事故
ライスセンター
農業施設

外部リンク

カントリーエレベータ（農業歴史館）(archive.is)（農林水産技術情報協会）
ライスセンター（農業歴史館）(archive.is)（同上）
大規模乾燥調製貯蔵施設の設置・運営に当たっての留意事項について（農蚕園芸局長通知） (PDF) （農林水産省）
カントリーエレベーター - 日本車両
* 『カントリーエレベーター』 - コトバンク

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