仙台駅東西地下自由通路

仙台駅東西地下自由通路は、宮城県仙台市にある、歩行者専用の地下通路です。この通路は、JR仙石線の仙台駅とあおば通駅の間を、エスパル仙台本館の地下1階を経由し、さらに仙台市地下鉄南北線の仙台駅へと接続する重要な役割を担っています。毎日、早朝から深夜まで通行可能で、仙台駅周辺の移動をスムーズにするために利用されています。

概要

この通路は、JR仙石線の地下化に合わせて、線路の上部に建設されました。東西に伸びる通路は、愛宕上杉通（東五番丁通）と青葉通が交わる中央1丁目交差点から、JR仙台駅東口広場までを結んでいます。全長は約392メートルで、幅は場所によって5メートルから15メートルと変化しています。特に、JR仙台駅舎の西側部分は広い構造となっています。

地下では、JR仙石線とあおば通駅のコンコース、そして仙台市地下鉄南北線の仙台駅コンコースに接続しています。さらに、JR仙台駅舎の地下では、エスパル仙台店地下1階を横断し、東口広場地下ではBiVi仙台駅東口や仙台駅東口地下自転車等駐車場、JR仙石線仙台駅コンコースへと繋がっています。これらの地下空間は、JR仙石線の1駅間、約640メートルにわたり、東西地下自由通路の延長上に位置しており、各出入口には「仙台駅東西地下自由通路」と明示されています。

この通路は、仙台駅西口側の主要道である青葉通と、東口側の主要道である宮城野通を結ぶ役割も担っています。そのため、1日の歩行者通行量は平日で3万人を超え、仙台市都心部における重要な歩行者通路となっています。

位置関係

地上では、西口側が青葉通、東口側が宮城野通に接続しています。JR仙台駅舎の地下1階では、S-PAL仙台店の「エキチカキッチン」や「エキチカおみやげ通り」が隣接しています。また、東側区間の東口駅前広場地下では、「BiVi仙台駅東口」や「仙台駅東口地下自転車等駐車場」と接続しています。

沿革

1972年、東北新幹線の建設に伴う仙台駅の建て替え工事が始まった際、運輸省、建設省、国鉄、宮城県庁、仙台市役所、仙台商工会議所の六者間で、仙石線地下化の際に、線路の上に地下自由通路を設けることが合意されました。この合意に基づき、JR仙石線連続立体交差事業に関連する仙台市の単独事業として、JR東日本に工事が委託されました。事業名は「仙台駅東西地下自由通路整備事業」です。

1999年には、JR仙台駅舎より西側の区間が供用開始され、翌2000年のJR仙石線地下化に合わせて全線が開通しました。通路開通以前は、JR仙台駅地下南口からエスパル仙台店地下1階を横断し、仙台駅西口地下道を通って地下鉄南北線にアクセスするルートが一般的でしたが、当通路の開通後は、このルートの利用者は大幅に減少しました。

年表

1972年：仙石線地下化に際し、軌道階の上部に地下自由通路を設置することで合意。
1973年：仙台駅東第一土地区画整理事業が開始（1996年まで）。
1981年：仙石線連続立体交差事業が開始。
1985年：仙石線連続立体交差事業が事業認可。
1987年：
4月1日：国鉄仙台鉄道管理局の鉄道事業をJR東日本東北地域支社が引き継ぎ。
7月15日：仙台市地下鉄南北線が開業。
1988年：仙台駅東第二土地区画整理事業が開始。
1999年7月2日：当通路の西側区間が供用開始。JR仙台駅と仙台市地下鉄南北線が接続。
2000年3月11日：JR仙石線の新線切り替えに合わせ全線供用開始。JR仙台駅とJR仙石線仙台駅が接続、西側区間ではJR仙石線あおば通駅と接続。
2002年3月：仙台駅東口地下自転車等駐車場が開業。
2010年7月26日：ゲリラ豪雨により通路が一時的に通行不能に。
2011年：
3月11日：東日本大震災により通行不可。
3月21日：地下鉄の始発から終電までの時間帯に限り通行可能に。
4月7日：余震により再び通行不可。
4月9日：通行可能となる。
2013年3月7日：JR東日本と仙台市が災害時の帰宅困難者一時滞在場所としての運用に関する協定を締結。

仙台駅東西地下自由通路は、仙台市の交通網と都市機能を支える上で、不可欠な存在となっています。

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