仙巌寺

仙巌寺の概要

仙巌寺（せんがんじ、ソナムサ、선암사）は、韓国の全羅南道順天市に位置する重要な仏教寺院です。この寺は、韓国仏教の第2勢力として位置付けられる太古宗の総本山であり、太古宗唯一の叢林寺院、すなわち「太古叢林」としても知られています。元々、仙巌寺は曹渓宗の第20教区本寺としての役割も果たしていましたが、その後の歴史の中で何度も変遷を遂げてきました。

歴史的背景

仙巌寺の創建は百済時代にさかのぼり、529年に阿道によって海川寺が設立されたことが起源とされています。875年、新羅の道銑国師によって現在の寺の位置に重ねて建立され、寺名も仙巌寺に改名されました。また、韓国天台宗の中興の祖である大覚国師義天がこの寺に関与し、さらに重創を行ったことからもその重要性が伺えます。

李氏朝鮮時代に入ると、仏教への弾圧が行われ、特に太宗による1407年には、国内の88寺院が存続を許された中で仙巌寺はその名を見つけることができず、廃寺となってしまいました。同様に、世宗の1424年の弾圧時にも36寺院の中に仙巌寺の名はなく、引き続き廃寺の状態が続きました。

しかし、1572年に至り、仙巌寺は復興の道を歩み始め、1540年には一柱門の再築を 遂げました。その後、文禄・慶長の役により多くの建物が焼失するものの、1660年には敬俊、敬岑、文正らの尽力によって再度修復が行われました。

さらに、1798年には海鵬展翎などが主導して七殿が重創され、1823年に本堂が焼失した後も、海鵬、訥庵、益宗らにより再建作業が行われ、現存する多くの建物がこの時期に建設されました。歴史を遡ると、仙巌寺が持つ長い歴史の中には復興と維持のための数多くの取り組みがあったことが分かります。

現在の仙巌寺

1911年に寺刹令施行規則によって朝鮮三十本山に指定された仙巌寺は、その名声と重要性をさらに高めています。さらに、時を経るごとに曹渓宗と太古宗の間には路線や財産を巡る争いが続いていて、時には暴力事件に発展することもありました。これらの歴史的背景を受けて、仙巌寺は韓国仏教界における重要な地位を保ち続けています。

様々な歴史を経た現在、仙巌寺は訪れる人々に豊かな文化遺産と精神的な安らぎを提供する場として、韓国における仏教の象徴的な存在であり続けています。

もう一度検索